健永ストーリー １５ ページ15
ミツと二階堂に気持ちを打ち明けた日、俺はAちゃんに想いを伝えようと決心した。
二階堂の言う通り、きっとAちゃんは俺のことを男として見ていないと思う。
どんな反応をされるのか不安だけど、ミツの『逃げるな』という言葉が俺を後押しした。
それなのに…
ここ数日Aちゃんと顔を合わせていない。
急遽横尾さんの現場にAちゃんが入ることになった後、Aちゃんにしては珍しく３日連休があったりして、ようやく次に顔を合わせたのは１週間後だった。
「おはようございます」
雑誌の撮影のためにスタジオに行くとすでにAちゃんは楽屋で打ち合わせをしていた。
「千ちゃん、おはようございます。まだ他のメンバー来てないから、とりあえず待機で。よろしく」
Aちゃんはそう言うと楽屋を出て行こうとドアノブに手をかけた。
「待って！Aちゃん」
他のメンバーが集まりだしたら２人で話す時間がなくなりそうで、俺は思い切って彼女を呼び止めた。
「どうしたの？」
Aちゃんはそう言うと俺に近づいてくる。
「あ、あの…何か久しぶりに、会う、ね。俺たち」
(何言ってんだ俺！！)
自分で自分にパンチを入れたくなる。
言いたいことは他にあるのに。
「そうだね。他のメンバーの現場に入ることになったりしたし、お休みいただいてたから。あ、その間に何かあった？」
心配そうに俺の顔を覗き込むAちゃんの顔をまともに見ることができずつい視線を逸らしてしまう。
それでも(いつまでもこんな調子じゃだめだ)と自分に言い聞かせ、思い切ってAちゃんの顔を直視すると、Aちゃんの表情がいつもより元気ないことに気がついた。
「Aちゃんこそ、何かあった？」
俺の言葉に一瞬驚いたように目を丸くして俺を見つめ、その後すぐに小さく息を吐いてAちゃんが呟く。
「やっぱり千ちゃんにはお見通しだね」
「どうしたの？」
「私この間のお休みにね、真一さんと涼ちゃんと３人で旅行したの」
「え？」
突然の話に俺は思考回路が停止しそうなほど驚いた。
「前々からね、真一さんに誘われてたんだけどなかなかスケジュールが合わなくて。ツアー始まったらまた当分休めなくなるし、いい機会だと思ってね。涼ちゃんが行きたがってた遊園地に行ったり電車でちょっと遠出する程度だったんだけど、涼ちゃんすごく喜んでね」
微かに嫌な予感が胸をかすめ、俺は話を遮りたい衝動を何とかこらえた。
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SaYaKa(プロフ) - ♪パープルブルー♪さん» コメントありがとうございます！千ちゃんの性格をイメージしながら書いてみました！気に入ってもらえて嬉しいです！！ (2017年8月28日 20時) (
レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
♪パープルブルー♪(プロフ) - このお話好きになりました！！宮城のライブの次の日に見たんですが、千賀担なのでとってもうれしかったです。想像ができていいですね♪性格そっくりかも(´∀｀*)ｳﾌﾌ (2017年8月28日 14時) (レス) id: 9a2bc817d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2017年5月23日 18時
