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番外編:裕太ストーリー 3 ページ43

「今夜、仕事終わったら一緒にいられる?」

後ろから抱きしめたまま、Aの右肩に顔をうずめて聞くと、Aはうん、とうなずいた。

「一緒にご飯食べに行こうか」

Aの声が優しく響く。

「うん、行こう!何食べたい?」

「裕太が食べたいモノが食べたい」

Aはそう言うと、振り向き俺を見つめる。

何でこの人はこんなに可愛いことができるんだろう。
たまに年上だってことを忘れてしまいそうになる。

「じゃあ考えとく」

そう言って頬にキスした後、髪の毛を撫でてから衣装部屋を後にした。

ようやく全ての撮影が終わって、みんな私服に着替えるとスタジオを後にする。

相変わらず忙しそうなAは姿が見えない。
楽屋で待っていると、廊下からバタバタバタと走る足音が聞こえて入り口のドアが勢いよく開いた。

「裕太、ごめん!お待たせ!」

Aが息を切らせて走りこんできた。

「ププッ。そんなに急いで来なくて大丈夫なのに。じゃあ行こうか」

選んだのは個室のあるイタリアンのお店。
実はお昼にこっそりガヤに聞いて予約を入れておいたんだ。

個室だから誰の目も気にせずゆっくり話せて食事ができた。

食事のあとはタクシーで俺のマンションへと向かう。
タクシーの車内では、こっそりAの左手を取って握りしめた。

マンションの駐車場に着くと、Aの手を握ったままタクシーを降りる。

誰もいないエレベータに乗り込むと、Aを抱き寄せた。

「ちょっと裕太。誰か乗ってきたらどうするの」

「誰も来ないよ」

「そんなの分かんないじゃん。ダメだよ」

「ダメじゃない〜」

今夜は何を言われても離してやらないんだ。

部屋に入ると、そのまま玄関でAにキスをする。
唇は離さずに、頭を撫でたりきつく抱きしめたり、頬を撫でたりしながら長いキスを落とす。

「ンっ…はぁ…裕太、息できないよ…」

ついにAが唇を離す。

「ごめん。でも、今日は帰す気ないから」

俺の言葉にAが微かにうなずく。

「よし、じゃ、おいで」

俺はAの手を引いて部屋の奥へと連れていく。


翌朝。
カーテンの隙間から差し込む光に目が覚め、ベッドの上で「んん〜」と伸びをすると、温かいぬくもりに触れた。

隣にはすっぴんですやすやと眠るAがいる。

起こさないように頬に触れ、おでこにキスを落とす。

「A、大好きだよ」

呟くとAが微かに身じろぎする。
俺は幸せな気持ちでその寝顔を見つめた。

終わり ログインすれば
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ふわり(プロフ) - 楽しみにしてます! (2017年9月10日 9時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)
SaYaKa(プロフ) - ふわりさん» コメントありがとうございます。この先は、『裕太短編集』のほうで、短いお話を書いていく予定です。良ければそちらもご覧ください! (2017年9月10日 0時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - 続きは無いんですか?!楽しみにしてます! (2017年9月10日 0時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月10日 0時

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