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番外編:裕太ストーリー 1 ページ41

ピピピピピ ピピピピピ……

スマホのアラーム音で目が覚める。

「んん〜」
ベッドの上で手を伸ばすが、その手は虚しく空を切る。

昨夜はようやくAと想いが通じ合って、初めて2人で過ごす甘い夜…のはずだった。

「何で帰っちゃうんだよ〜」

寝返りを打って誰もいない隣を見つめながらため息をつき、昨夜のことを思い返す。

お互いの想いを確かめ合った後、はやる気持ちを押さえながらキスをした。

唇を離した後照れたように笑う顔さえ何だか色っぽく感じて、Aを抱きしめリビングのソファに優しく押し倒してさらにキスをしようと顔を近づけると、Aは俺の胸を押し戻した。

「ちょっと、待って!」

「え?何?どうしたの?」

「待って。私、今日は帰る…」

「え?何で?今日はお泊りの流れじゃ…。俺、何かした??」

「そうじゃないの。私、今すっごい幸せだから。今夜は家で1人で幸せを噛みしめてニヤニヤしたいの」

「え〜俺は一緒にイチャイチャしたいッ!!」

「フフフ。それはまた今度ね」

そう言うと、Aは「じゃあまた明日迎えに来るね」と言い残して部屋を出て行った。

「ウソだろ…」

無常に閉じられた玄関の扉を俺はただ茫然と見つめることしかできなかった。


気を取り直してベッドから体を起こし、シャワーを浴びて仕事に行く準備を始める。

予定の時間になると、Aから電話が入る。

電話を切って荷物を手に、部屋を出てAの待つ車へと向かう。

今まで以上に緊張しながら車のドアを開けて乗り込む。

「おはようございま〜す」

運転席から聞こえてきた声は、昨日までと何ら変わらない。

「お、おはよ」

「はい、ドア閉めて。出発しますよ〜」

「うん…」

俺はAの言われるがままにドアを閉めておとなしく後部座席に座った。

しかし、釈然としない。

俺たち、付き合い始めたんだよね?
いわゆる、彼氏と彼女だよね?
付き合いたてほやほやってもっとラブラブなんじゃないの?

なんでAはこんなに‟普通”なんだろう?

俺はいつも通りハンドルを握るAのうしろ姿をただ見つめていた。

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ふわり(プロフ) - 楽しみにしてます! (2017年9月10日 9時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)
SaYaKa(プロフ) - ふわりさん» コメントありがとうございます。この先は、『裕太短編集』のほうで、短いお話を書いていく予定です。良ければそちらもご覧ください! (2017年9月10日 0時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - 続きは無いんですか?!楽しみにしてます! (2017年9月10日 0時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月10日 0時

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