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裕太ストーリー 39 ページ39

帰り道の車内。
ハンドルを握る私の隣には裕太がいる。

「それにしても普通好きな男に、他の女と付き合えなんて言うかね〜。ホントAは素直じゃないんだから」

ちょっとふてくされたように、ほっぺたを膨らませている。

「だって、裕太が私のこと好きだなんて思わなかったんだもん」

私も負けじと反論する。
差し掛かった交差点の信号がちょうど赤に変わり、ブレーキを踏んで停車させた。

「仕方ないな。こんなに素直じゃなくて意地っ張りだと、他の男じゃ手に負えないだろうから、俺がずっとAの面倒みてやるよ」

裕太が得意げに言う。

「何よ偉そうに。言っておくけど、むしろ、マイペースでわがままで自由奔放な裕太に、根気よく付き合えるような女は、私しかいないの」

ムキになって助手席に言い返すと、不意に裕太の顔が近づいて来てキスをされた。

「ちょっと…何よ突然…」

慌てて体を離すと、裕太はくすっと笑った。

「A、信号、青だよ」

慌ててアクセルを踏み込む。
何だか私だけ余裕がないみたいで、恥ずかしさに1人赤面していると、助手席からはご機嫌な鼻歌が聞こえてきた。

(結局裕太のペースに巻き込まれてばかり…)

裕太のマンションに到着する。

駐車場に車を停めると、裕太の右手が伸びてきて私を引き寄せ、抱きしめる。

「ちょっと裕太。誰かに見られたら大変だから…」

そう言って胸を押し返すが、余計に力強く抱きしめられる。

「大丈夫だよ。地下駐車場だから誰にも見られないって」

「でも同じマンションの人とか…」

私がそう言うと、しぶしぶ体を離したけれど不機嫌そうな顔だ。

「分かったよ。じゃ、行こう」

「どこに?」

訳が分からずキョトンとしていると、裕太はニヤリと笑って言った。

「俺の部屋に決まってるでしょ」

「え、いや、あの、それはちょっと…」

「ダメ。ほら行くよ」

そう言うとそそくさを車を降りて有無を言わさず先にマンション入口へと向かって歩いていく。
私がどうしようかと迷っていると、ふいにこちらを振り返り、早く来いと手招きされる。

「少しだけお邪魔したら帰ろう…」

そう考えた私は、車を降りて裕太の後を追った。

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ふわり(プロフ) - 楽しみにしてます! (2017年9月10日 9時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)
SaYaKa(プロフ) - ふわりさん» コメントありがとうございます。この先は、『裕太短編集』のほうで、短いお話を書いていく予定です。良ければそちらもご覧ください! (2017年9月10日 0時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - 続きは無いんですか?!楽しみにしてます! (2017年9月10日 0時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月10日 0時

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