裕太ストーリー ３３ ページ33
しばらく経ったある日。
今日はドラマの撮影の後、夜からライブの打ち合わせだった。
打ち合わせも順調に進み、少しずつライブの全体像が見えてきた。
と同時にリハーサルも始まり、俺たちは振付やフォーメーションの確認作業に追われている。
「玉〜今日終わったら飯行かない？もう俺お腹ペコペコ〜」
リハーサルも終わりに差し掛かった頃、宮田が俺に抱きついてきた。
「やめろよ、宮田。お前の汗がつくだろ」
「相変わらず冷たいなぁ、お玉さん」
そう言いながらもまた俺にくっついてくる。
「だからやめろって。それに今日俺、先約あるから、お前と飯行けないわ」
「珍しいね。先約って？」
「…尾野さん」
俺は、他のメンバーやスタッフ、そして何よりAに聞こえないように答えた。
「あ〜横尾さんから聞いたわ。みんなの目の前で尾野さんを食事に誘ったって。そっか。今日なんだ。じゃ仕方ないか」
宮田は、口ではそう言っているが何やら言いたげな表情だ。
「何だよ。言いたいことあるんなら言えよ」
「いや〜。玉はそれでいいのかな〜と思ってさ。俺は、Aちゃんに一筋な玉が好きだったな、と思って。玉が本気で尾野さんのこと好きなんだったら俺も応援するけどさ」
宮田のくせに刺さることを言う。
俺は尾野さんの気持ちにちゃんと応えるつもりがあるんだろうか。
ただAへの想いに蓋をして、逃げているだけなんじゃないだろうか。
「あ〜もう。何なんだよ宮田！そんなこと言われたってどうすりゃいいんだよ。俺だってどうしたらいいのかわかんねぇんだよ」
俺は八つ当たりするように宮田の頭を掴んで振り回してやった。
「ちょっと何すんだよ玉！やめろって〜」
相変わらずの反応だ。
宮田は隙をついて俺の手をするりと抜けると、いつになく真剣な顔で言った。
「仕方ないな。玉の為に一肌脱いでやるよ」
「は？お前どうするつもりだよ」
「それはナイショ〜」
いつもの笑顔に戻り、宮田はリハーサルに戻って行った。
俺も訳が分からないまま、宮田の後を追うようにメンバーの元に戻った。
「お疲れ様でした〜」
リハーサルも終わり、皆それぞれ帰路に就く。
俺も荷物をまとめてスタジオを出てタクシーを拾った。
車内でスマホを取り出し、尾野さんにメッセージを送る。
「今リハ終わりました。今から向かいます」
するとすぐに「分かりました。私はお店の中にいます」と返信があった。
俺はスマホをしまうと、窓の外の景色をただ眺めた。
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ふわり(プロフ) - 楽しみにしてます！ (2017年9月10日 9時) (
レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)
SaYaKa(プロフ) - ふわりさん» コメントありがとうございます。この先は、『裕太短編集』のほうで、短いお話を書いていく予定です。良ければそちらもご覧ください！ (2017年9月10日 0時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - 続きは無いんですか？！楽しみにしてます！ (2017年9月10日 0時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2017年5月10日 0時
