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裕太ストーリー 17 ページ17

発熱した翌日、先輩マネージャーである加藤さんから「今日は無理せずに夕方から仕事に出るように」と電話をもらった。
申し訳ないと思いながらも、お昼のレコーディングには帯同せず、レギュラー番組の収録が行われる夕方から仕事に出た。

家を出る前に測ったら、熱も随分下がりやや微熱がある程度にまで回復していた。
体のだるさもほとんどなくなった。

「手厚い看病のおかげかな」
1人呟くと昨夜のことが思い出されて、思わず赤面する。

(名前で呼ぶようにって言われたけど、さすがに呼び捨てはまずかったよね・・・。でももう呼んじゃった手前、あとには引けないし…)

ぶつぶつと考え事をしながらテレビ局の廊下を歩いていると、後ろから勢いよく背中を叩かれた。

「よっ、A、お疲れ」

「北山さん〜。もう驚かさないでくださいよ!」

「おう悪ぃ悪ぃ。ところで何ブツブツ言ってんだよ。名前がどうの、とか聞こえたけど?」

「ちょっと!勝手に独り言盗み聞きしないでくださいよ!」

「別に盗み聞きしたわけじゃねぇよ、人聞き悪いな〜」

そんなやり取りをしていると、楽屋の前に到着していた。

「お疲れ様です〜」

私がドアを開けると、北山さんが右腕を私の肩に回して、「お疲れ〜」と言いながら一緒に入ってきた。
突然のことに驚いて北山さんを凝視するも、当の北山さんは何事もないかのようにずんずん楽屋内に進んで行く。

その時、「みつ!」という声がして、私の肩に回された腕を振り払った人がいた。

「何だよ玉〜怖い顔して〜」

北山さんがわざとらしく怯えたような表情を作って言う。

「何だよじゃないよ。気易く肩組んだりすんなって。A、こっち来て」

そう言うと、玉森さんは私を奥のソファまで引っ張って行った。

「あ〜怖い怖い」

後ろの方で北山さんの大げさな声が聞こえる。

「ここ座って」

促されてソファに腰掛けると、玉森さんも隣に座った。

「熱は?どう?気持ち悪いとかない?無理してない?ご飯は?何か食べた?」

矢継ぎ早に質問されて私は一瞬何から答えていいのか困ってしまう。

「あの、昨日は本当にありがとうございました。もう全然大丈夫です」

そう言うと、玉森さんは信じてないような表情で「本当?」と聞き返した。

「う…。熱は、とりあえず微熱って感じです。ご飯はまだ食べる気がしなくて…。でも、玉森さんが買ってくれたゼリーはひとつ食べられました」

素直に白状すると、玉森さんの表情が柔らかくなった。

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ふわり(プロフ) - 楽しみにしてます! (2017年9月10日 9時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)
SaYaKa(プロフ) - ふわりさん» コメントありがとうございます。この先は、『裕太短編集』のほうで、短いお話を書いていく予定です。良ければそちらもご覧ください! (2017年9月10日 0時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - 続きは無いんですか?!楽しみにしてます! (2017年9月10日 0時) (レス) id: af60c52efd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月10日 0時

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