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宏光ストーリー 50 ページ50

タクシーに乗り込むと、北山さんは運転手さんに私のアパートの場所を告げた。
しかしそれ以外は全く会話もなく、ただ窓の外を眺めている。

アパートの前に到着すると、北山さんは運転手さんに
「すみません、ちょっと部屋まで送ってくるんで、待っててもらえますか」
と声をかけて自分も車を降りた。
運転手さんはすぐ近くのコンビニで待機していると言って車を出した。

車を降りても相変わらず北山さんは何も言わない。

「あの、北山さん・・・」

藤ヶ谷さんに言われた言葉を思い出し、勇気を振り絞って北山さんの背中に話しかける。

「今日、事務所で仕事しなきゃいけないって言ったの、実は嘘なんです。どうしても、北山さんと春菜ちゃんのこと見てるのが辛くて。でも、逃げないでちゃんと気持ち伝えなきゃって思って、来たんです。私、北山さんのことが好きです。周りの人に気遣いができるところとか、仕事熱心なところも、笑顔も、笑い声も、どこでも寝ちゃうところも、優しいところや男らしいところも・・・。全部。好きです。北山さんが他の人を好きでも・・・迷惑じゃなければずっと好きでいたい・・・です」

息継ぎも忘れて喋ってしまい、最後は苦しくなって言葉を切った。

「さやかさ、俺が先に言おうと思ってたのになぁ」

「え?」

「だ〜か〜ら、俺が先に告白しようと思ってたの!」

そういうと北山さんは振り向き、近づいてくる。

「俺もさやかのこと好きだよ。いつも笑っててくれるところとか、うまいもん食って幸せそうな顔とか、酔っぱらうとすげー喋りだすところとか」

「何かただの食いしん坊みたいじゃないですか、私」

嬉しくて涙が出るのをごまかしながら文句を言うと、

「俺はどんなさやかも好きだよ。だからいつもそばにいて欲しい」

そう言って頬を流れる涙を指でぬぐってくれた。
返事をしたいのに、涙のせいでうまく声が出ない私は、何度も何度も頷いた。

「あ〜もう我慢できない!」

突然そう言うと、北山さんはアパートの階段の下まで私を引っ張っていき、強く抱きしめた。

「ちょっと・・・北山さん・・・外でこれはさすがに・・・」

「だから階段の下に隠れてんでしょーが。これでもずっと抱きしめたいのを我慢してたのよ、俺」

そういうとさらに強く抱きしめられる。

「さやかの笑顔は俺が守るから」

抱きしめた腕の力が緩んだと思ったら、北山さんは、涙でぐしゃぐしゃになった私の顔を両手で包み込み、優しくキスを落とした。

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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます!更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね! (2017年4月14日 2時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年3月16日 19時

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