宏光ストーリー ４７ ページ47
「お疲れ様でした〜」
レコーディングや打ち合わせが終わり、スタジオを後にするメンバーに声をかける。
「疲れた〜。宮田、飯行こうぜ」
「お！いいね、玉。行こう行こう」
仲良しコンビの玉森さんと宮田さんの会話を笑いながら聞いていると、北山さんが現れた。
「さやか、お疲れ。もし仕事早く終わりそうだったら連絡して。打ち上げ、来ればいいじゃん」
そういうと、店の場所と名前を教えてくれた。
「そう、ですね。でも結構遅くなると思うので･･･。私のことは気にしないで、北山さん楽しんできてください」
私が答えると北山さんは、わかった、とだけ言い残してスタジオを後にした。
スタジオを出た後、私は事務所に寄り、自分のデスクで仕事をした。
事務所の壁時計は、２４時を回っていた。
本当は急ぎの仕事があるなんて嘘。
打ち上げということは、佐々木春菜も来るのかもしれない。
そう考えたら、どうしても「行く」と言えなかった。
これ以上、２人の仲良さそうな姿を見たくない。
それでも家に帰ると、嫌な想像ばかりしてしまいそうで、私は仕事に没頭した。
ブーブーブー
デスクの上のスマホが鳴って着信を知らせる。
相手は、藤ヶ谷さんだった。
「はい、もしもし」
「あ、さやか？俺」
「はい。どうしたんですか？何かありました？」
突然の電話に驚き尋ねる。
「さやか今、何してんの？」
「私は、事務所です。ちょっと片付けなきゃいけない仕事があって･･･」
藤ヶ谷さんにまで嘘をついてしまって気まずくなり、自然と声が小さくなる。
「そっか。今日打ち上げじゃなかったの？この間のロケの」
「そうなんですけど･･･」
「ん？どうした？」
藤ヶ谷さんの優しい声を聴き、本音がこぼれる。
「どうしても、春菜ちゃんと北山さんの姿を見るのが辛くて。北海道でも北山さんの部屋で２人逢ってたみたいだし。きっと北山さんも春菜ちゃんのこと･･･」
あの夜のことが蘇って、涙腺が緩みそうになるのを必死にこらえる。
「ねぇさやか。それ、ちゃんと北山に聞いた？ 何で彼女を部屋に入れたのか。 彼女のことどう思ってるのか」
「いえ。怖くて･･･」
「そっか。さやかの気持ちわかるけど、もっと北山のこと信じてみたら？怖い気持ちも分かるけど、さやかは何一つ北山の口から聞いてないじゃん。もしかしたらさやかが誤解してることもあるかもよ？」
藤ヶ谷さんが優しく諭すように語りかける。
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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます！更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね！ (2017年4月14日 2時) (
レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2017年3月16日 19時
