宏光ストーリー 42 ページ42
出演者の皆さんとラーメンを食べに行った後、春菜ちゃんから相談があると言われ、俺は彼女を部屋に招き入れた。
さすがに女の子とホテルの部屋で2人きりというのは居心地が悪く、俺はそわそわしながら冷蔵庫の中の飲み物を物色した。
「相談があるなんて、気がある相手に近づくための口実に決まってるじゃないですか」
彼女はそう言うと俺の傍に立ち目を閉じて顔を近づけてきた。
(は?え?これっていわゆる・・・チュー?!)
動揺しながらも、俺は努めて冷静に声を出した。
「春菜ちゃんの気持ちは薄々感じてたけど、もし俺が中途半端な態度で誤解させてたんなら謝るよ。ごめん。でも俺、君の気持には応えられないから。大事に想ってる人が、いるからさ」
5年くらい前の俺だったら、流れに任せてしまっていたかもしれない。
まぁ、若気の至りってやつでかなり遊んでいたし、女の子にモテたい年頃だった。
でも今は、ようやく出会えたたった一人を大切にしたい。
俺は、佐々木春菜を部屋に招き入れたことを後悔していた。
「私別に、絶対北山さんじゃなきゃダメだってわけでもないですし。それに結構モテるんですから。絶対後悔しますよ。じゃあ、失礼します」
結局彼女はそう言い残して部屋を出て行った。
「今どきの若い子はスゲーな。俺も歳を感じるわ・・・」
佐々木春菜が出て行った扉を見ながら苦笑いしていると、ベッドの上に置いていたスマホが鳴った。
それはさやかからのメッセージだった。
明日の進行が変わったので、進行表を渡しに来るという。
俺は部屋で待っている旨を返信し、さやかが来るのを待った。
佐々木春菜のおかげで、俺はさやかへの気持ちを改めて確認できたし、もう何も迷わず想いを打ち明けよう。そう思った。
なかなか来ないので途中一度メッセージを送る。
するとその直後に部屋の呼び鈴が鳴った。
待ちわびていたことがバレないように、テンション低めの演技をしながら扉を開ける。
さやかの顔を見た瞬間、今までにない緊張感が俺を襲う。
「俺もさっき部屋に戻ったとこだから。入れば?」
そう言って先に中に戻るとさやかも俺の後に続いて部屋に入る。
しかし、さやかの様子がおかしい。
部屋に入った瞬間、その場に立ち尽くしてものすごい表情で固まっている。
「さやか?おい、どうした? そんなとこに突っ立ってないで座れよ」
俺は声をかけてさやかの肩に手を置いた。
するとさやかは「いやっ」とその手を払いのけた。
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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます!更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね! (2017年4月14日 2時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年3月16日 19時