宏光ストーリー 36 ページ36
男なんて簡単だ。
私がほんの少し声の調子を上げて甘えたそぶりを見せ、男のつまらない話にもほどよく相槌を打ってやれば、それだけでみんな機嫌が良くなり、「春菜ちゃんは可愛いね〜」などと寄ってくる。
私、佐々木春菜は上に兄が3人もいる家庭で育ったせいか、他の女子と比べて男への幻想は持ち合わせていない。
少女漫画のようにイケメンで優しくて、女子が喜ぶような甘いセリフを吐くような男なんて、ロクな男じゃない。
だいたい、そんな漫画のキャラクターにキャーキャー言っている女だって、私から言わせれば馬鹿だとしか言いようがない。
男は私の思い通りに転がして、うまく使うのが賢い女ってものだ。
芸能界だって同じ。
ちょっと肌を露出してグラビアに出たら、たちまち男性ファンが増え、おかげで今ではグラビアだけではなくバラエティ番組にも呼んでもらえるようになった。
仕事のためなら、偉い人に媚びを売ることだっていとわない。
そんなことで仕事がもらえるのなら、安いものだ。
私にとっては男性アイドルだって、自分の名を売るための道具でしかない。
ガセでもいいから噂になれば、私の知名度は急激に上がる。
Kis-My-Ft2 北山宏光
最近バラエティ番組での共演が多いアイドルだ。
噂によると、芸能界での交友関係も広く、かなり遊んでいるらしい。
近づいておいて損はなさそうな男。
私はいつもの通り、楽屋への挨拶から始まり、手作りのクッキーを渡したり、ボディタッチをしたりと、彼に近づいていった。
唯一目障りなのが、いつもくっついているマネージャーの女だ。
歳は30を超えているらしいが、マネージャーとしてはまだ新人らしい。
しばらく観察していると、彼女の北山宏光への想いに気づいた。
女の勘、ってやつかな。
私からすれば、何の特徴もない、ただのおばさんでしかない。
それなのに、どうやら北山さんも彼女に想いを寄せているようなのだ。
(いい歳して片想いの恋愛ごっこでもやってるつもりなの?)
2人を見ていると異様に腹が立つ。
私は絶対、北山宏光を落として見せる。
バラエティ番組の収録前、楽屋へ挨拶に行った後、私はマネージャーの女にだけわかるように宣戦布告の態度を示した。
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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます!更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね! (2017年4月14日 2時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年3月16日 19時