宏光ストーリー 33 ページ33
ロケも無事終わり、宿泊先のホテルのレストランで夕食会が開かれた。
さやかと話したい気持ちはあったが、さすがにそうもいかず、俺は他の出演者の皆さんと同じテーブルに座った。
隣では春菜ちゃんがかいがいしく俺に食べ物を取り分けてくれたり、ビールを注いでくれている。
気が利くいい子だなとは思うが、俺の視線はさやかばかり追っている。
さやかはこの間藤原さんに叱られてから、今まで以上に仕事に熱心に取り組んでいる。
今日だって、初めての泊りがけのロケだが、周囲への気配りも俺のサポートもしっかりこなしている。
(藤ヶ谷とのこと、聞くタイミング見失ったな・・・)
しばらくしてさやかは少し浮かない顔で席を立った。
その後、なかなか戻ってこない。
俺は心配になり、「すいません、ちょっとトイレ行ってきますわ」と先輩方に断りを入れて席を立った。
しばらくレストランの個室前で待ってみたが、やはり戻ってこない。
俺はレストランを出て、ロビーへと足を運んだ。
ふと、バルコニーを見るとそこには1人で夜空を見上げるさやかの姿があった。
(今がチャンスだ。藤ヶ谷とのこと、話してみよう)
そう思い、俺は思い切ってさやかに声をかけた。
「さやか、こんなとこにいたのか」
さやかは俺の声に驚いたような表情で振り返る。
どうやら酒に酔ったらしく、酔いを醒ましているという。
「そっか。あ〜やっぱ北海道の空気はうまいな〜。俺もちょっと一緒にいていいかな?」
できる限り自然を装い、俺はそう言ってさやかの隣に立った。
バルコニーの柵に寄りかかり、北海道の街並みを見おろす。
俺は意を決してさやかに尋ねた。
「さやかさ、藤ヶ谷とどういう関係なの?」
その時さやかが息を飲むのが分かった。
藤ヶ谷とのことを聞かれて動揺したのだろうか。
その気配に、俺の心臓も先ほどからものすごい速さで鳴っている。
「いや、何か仲よさそうだな〜と思ってさ。この間の収録の時だって、休憩所で2人並んで座ってさ、何か親密そうに話してたじゃん。あ、俺トイレに行こうとして方向間違っちゃってさ、たまたま、ホントたまたま見かけたんだけどさ」
俺って何でこんなにカッコ悪いくらい必死なんだろう。
さやかのことが心配で休憩所まで行ったくせに、そんなこと言えない。
たまたま通りかかっただけ。俺は必死にそうアピールした。
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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます!更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね! (2017年4月14日 2時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年3月16日 19時