宏光ストーリー 29 ページ29
翌日、とてもよく晴れたいいお天気の中、私たちは北海道へ飛んだ。
メンバーが週替わりでレギュラー出演している番組のロケのためだ。
いつもなら移動中はすぐに爆睡してしまう北山さんだが、今日は機内の窓からずっと外を眺めている。その横顔は何か考え込んでいるように見えた。
めったに見せないその真剣な横顔に、私の胸はざわつきを覚えた。
やはり今日はちゃんと北山さんと話をしなくてはいけない・・・。
改めてそう決意し、私はロケのスケジュールを確認した。
予定では遅くとも22時にはロケが終わる。
その後、きちんと話をしよう。
私は1人、密かにうなずいて気を引き締めた。
「おはようございま〜す!わぁ〜寒い〜!あ、よろしくお願いしま〜す!」
現場に入ると、聞き慣れた声が聞こえてきた。
苦々しい表情を隠しながら声の方向を見ると、そこには季節違いとも思える短さのスカートを身につけた佐々木春菜の姿があった。
(今日、彼女も一緒だってことすっかり忘れてた・・・)
私は自分の詰めの甘さに頭を抱えながらも、近くに来た彼女に「おはようございます。よろしくお願い致します」と笑顔で挨拶した。
すると彼女は私の前をあっさり無視して通過し、近くにいた北山さんに向かって「今日もご一緒できて嬉しいです〜!よろしくお願いしま〜す」と甘い声で挨拶をした。
「おう、こちらこそよろしくお願いします。つーか、その衣装、寒くねえの?」
北山さんが彼女のミニスカートを指さして尋ねる。
「え〜全然平気ですよ〜。いっつもこういう服ばっかりだから、もう慣れっこで〜す。このスカート、可愛くないですか〜?ほら!ここ、実はフリルがついてるんです〜」
そういうと彼女はただでさえ下着が見えそうなスカートの裾を少しだけめくった。
「あ、ちょっ!ちょっと春菜ちゃん、それはさすがに・・・」
北山さんが慌てて目をそらすと、
「やだ〜、北山さん意外と照れ屋さんなんですね〜」
彼女はそう言うと、北山さんの腕をつかんでおおげさに揺らして見せた。
私が呆気にとられてその様子を見ていると、突然隣から「あの子、ついに本気スイッチ入れてきたわね」という声が聞こえた。
隣に人がいることさえ気づいていなかった私は、その不意打ちに心臓がバクバクするのを押さえ、声の主を確認した。
そこには、同じく番組のレギュラーとして出演している女性芸人さんが腕組みした状態で立っていた。
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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます!更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね! (2017年4月14日 2時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年3月16日 19時