宏光ストーリー 28 ページ28
藤ヶ谷さんと休憩所で話した後、メンバー全員が帰宅するのを見送り、私は藤原さんの打ち合わせが終わるのを会議室前の廊下で待った。
藤ヶ谷さんと話をして、少しだけ前向きに考えることができるようになった。
私のせいで北山さんやメンバーの皆さんに迷惑をかけることだけは、絶対に避けたい。
しばらくすると会議室の扉が開き、数名のスタッフさんが出てきた。
それぞれに挨拶をしていると、最後にプロデューサーと藤原さんが出てきた。
「それじゃあお疲れ様でした。今後ともよろしくお願いします」
藤原さんがプロデューサーさんに頭を下げる。
私も慌てて一緒に頭を下げた。
プロデューサーさんの背中を見送った後、藤原さんは私に向き直り、「浅井、どうした」
と尋ねた。
「藤原さん、今回は本当に申し訳ございませんでした。私が注意力散漫だったばかりにご迷惑をおかけしました。今後、二度とこのようなことがないよう気をつけます。本当に申し訳ありませんでした」
私はどうか気持ちが伝わるようにと願いながら、何度も深く頭を下げた。
「浅井、頭上げろ」
怒っていると思っていた藤原さんの、優しい声が降って来て私は驚いて頭を上げた。
「ここ最近お前が何か悩んでいることはわかっていた。でも、吹っ切れたみたいだな?浅井」
「藤原さん・・・」
私は驚きのあまり言葉が出なかった。
自分ではうまく隠せていると思っていたのに、あらゆる人にバレていたらしい。
いい歳して私は子供のように、周囲の人に心配ばかりかけている。
そのことに恥ずかしさを感じ、私は藤原さんの顔をまともに見ることができなかった。
「もう大丈夫そうだな」
そう言って藤原さんはふわっと笑った。
「ただし!仕事で今度同じようなミスしたら俺は容赦なくお前を切る!分かってるよな!?」
「はい、もちろんです。頑張ります!」
「分かればよろしい。よし、帰るぞ! 明日は北海道だ。お前もちゃんと早く帰って支度しろ」
「はい!」
明日から泊りがけで北海道ロケだ。
スケジュール的には比較的ゆっくりできると聞いている。
もし、タイミングが合うのなら、北山さんとちゃんと話そう。
そして、私の気持ちを打ち明けてみよう。
私はそう決意して家路を急いだ。
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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます!更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね! (2017年4月14日 2時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年3月16日 19時