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宏光ストーリー 16 ページ16

ラーメン屋で藤原さんに想いを打ち明けてから数日後。

今日は俺がレギュラーで出させてもらっているバラエティ番組の収録だ。
さらに今日は2本撮りということで、深夜までかかることも覚悟していたが、思いのほか順調に収録が進み、予定より早く収録を終えた。

「お疲れした〜」

すでに顔なじみになったスタッフさん達に挨拶しながら、さやかとともに楽屋に戻る。
さすがに2本撮りは身体的にも精神的にもこたえる。
俺は楽屋に戻るとすぐ、仰向けで畳の上に倒れこんだ。

大の字になったまま壁にかかった時計を見ると、22時を指していた。
それを確認すると、俺は意を決した。

「お疲れ様でした。2本撮りとなるとやっぱり大変ですね。でも予定より巻いてよかったですね」

そう話しかける彼女に答える。

「あ〜この収録が巻くなんて珍しいよな〜。お、まだ22時か。そうだ!飯行かない?」

今時間に気づいたようなフリをして彼女を誘う。
自然と誘えただろうか? わざとらしかったかもしれない。 彼女はどう思うだろう。
一瞬にしていろんな考えが頭をよぎる。

「今からですか?」

彼女の答えは・・・微妙だ。

「おう! 藤原さんと3人でさ。俺めっちゃ空腹なの」

カンカンカン!!!
脳内で試合終了を告げるゴングが鳴り響いた。
“2人で”と誘えない自分の臆病さに嫌気がさす。
それでも断られるくらいなら、3人でもいいから彼女ともう少し一緒にいたい。

「わかりました。藤原さんに伝えてきますね」

彼女はそう言って楽屋を後にした。

期待と自己嫌悪の狭間で揺れ動きながら衣装を着替え、彼女の戻りを待つ。
心が落ち着かず、テレビをつけたものの、内容は全く頭に入ってこない。

しばらくしてようやく彼女が戻ってきた。

「藤原さんどうだった?」

浮足立つ気持ちを悟られないよう、テレビを観る姿勢のまま顔だけ彼女に向けて尋ねる。

「実は藤原さん、この後まだ予定があるみたいで・・・」

彼女が浮かない顔で答える。
その顔を見ていたら、彼女から次の言葉が出る前に俺は勢いよくまくし立てた。

「そっか〜相変わらず忙しいなあの人。じゃあ飯はまた今度ってことで・・・」

その時、急に彼女が叫んだ。

「2人で!行きませんか?食事・・・」

その必死な顔が可愛くて、可笑しくて、そして2人で行こうと言われたことが嬉しくて、俺は隠しもせずに嬉しさを爆発させた。

「じゃ、行きますか」

俺が立ち上がると、彼女も後に続き楽屋を出た。

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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます!更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね! (2017年4月14日 2時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年3月16日 19時

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