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宏光ストーリー 14 ページ14

彼女と乗り込んだタクシーの車内では、ラジオから流れる音楽だけが響いていた。

「北山さんと二階堂さんって本当に仲いいですよね。二階堂さん、いっつも北山さんとサウナに行った話とかご飯行った話してるし。大好きなんですね、北山さんのこと」

そう話す彼女の後ろでは、車窓を東京の夜景が流れていく。

「別に仲いいっていうか、まぁ付き合いは長いからね。 あいつがクソガキの頃から知ってるし。それにサウナも飯の好みもなぜか合うから、あいつとは一番よくつるむかな。肉食いに行ったりラーメン食ったり、さっきみたいになじみの店に呑みに行ったりね」

「北山さん、ご飯屋さんに詳しいですもんね! 私なんか全然ダメです。 お休みの日もあまり出歩かないし、1人で知らないお店に入るのって勇気が要るから、いつも同じお店に行ったり、テキトーにおうちでご飯済ませたりしちゃって、全然お店知らないんですよね・・・。 食べるの大好きだから興味はあるんですけど、こっちで一緒にご飯食べるような友達も少ないし」

隣に座る彼女が、前を見つめながらそう言った。

「じゃあさ、俺が紹介してやるよ」

ここぞとばかりに意気込まぬよう、何でもないような素振りを意識して言ってみる。
態度とは裏腹に、俺の心臓は、うるさいくらい体の内側から左胸を突いてくる。

「いいんですか?」

(よしっ!)
心の中でつぶやいたら、自分の顔がにやけていることに気づき、慌てて窓の外に目を向ける。

「ま、仕事終わりとかさ、機会があったら連れてってあげるよ。 でも俺が行く店って、旨いけどお洒落じゃない店ばっかだけど、それでもいいの?」

「もちろんです。ありがとうございます!二階堂さんの話を聞いてて、いつもおいしそうだな〜ってうらやましかったんです!是非連れて行ってください!楽しみにしてますね」

「二階堂のやつ、どんだけさやかに無駄な話してんだよ」

口では悪態をつきつつ、無意識に緩む頬を手で押さえ、隠した。


「・・・さん? 北山さ〜ん? 次スタンバイお願いします!」

気づくとカメラアシスタントの人が俺を呼んでいた。
傍にいたはずの二階堂はいつの間にか千賀と楽しそうに話し込んでいる。

「あ、すいません。すぐ行きます」

1人でニヤけていなかっただろうかと心配になったが、一つ大きく息を吐いて気合いを入れ直し、カメラの前へと向かった。

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SaYaKa - lovemitsu917さんありがとうございます!更新頻度は遅いですが、頑張って更新していきますので、また是非読んでやってくださいね! (2017年4月14日 2時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
lovemitsu917(プロフ) - 続き楽しみに待ってま〜す (2017年4月6日 21時) (レス) id: f7579378d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年3月16日 19時

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