Episode31 【宏光side】 ページ31
「今日は本当にありがとうございました。ユウキ、本当に嬉しそうでした。ライブでたくさん二階堂さんにファンサービスしてもらえて、一緒に食事までできて」
「いや、全然いいよ。俺も楽しかったし。二階堂もそうだと思う」
「でも…どうしてですか？」
「え？」
「どうしてこんなに良くしてくれたんですか？ファンと食事するなんて、本当はきっと良くないですよね？」
「確かに本当はダメだし、今まで一度もしたことないよ」
「私のこともユウキのことも、ほとんど知らないのに、どうして…？」
「俺はAちゃんがいい子だってこと、よく知ってるよ。素直だし思いやりもあるしね。そんなAちゃんの友達なら、きっといい子だろうなと思ったんだよ。きっと大丈夫だろうなって」
「いい子です！私は全然だけど、ユウキは本当にいい子です！だから今回のことも言いふらしたりしないと思います！皆さんのこと本当に一生懸命応援してるから、皆さんが困ったり傷つくことは絶対しないはずです！一応、私からも念押ししておくつもりですけど…」
「分かった分かった！大丈夫、信用してるよ」
ぐっと握りこぶしを作って前のめりになる彼女の肩に手を置いて言うと、力が入りすぎていたことに気づいたのか、彼女は「すみません…」と恥ずかしそうに俯いた。
「あ、そうだ！俺もAちゃんにファンサしたんだけど、気づいてた？」
「え？！そうなんですか？」
彼女は目を丸くして答えた。
「あれ？Aちゃんが“バーンして”っていう団扇持ってたから、一応撃ったんですけど…」
まさか気づいてなかったなんて…。
俺は少なからずショックを受けた。
「私たちの前の席に、北山さんのファンの子がいたから、てっきりその子たちにやったのかと思ってました。あんなにたくさん人がいたのに、私のこと見えたんですか？」
「見えたよ。Aちゃんだけは、はっきり。不思議だよな〜。まるで君にだけスポットライトが当たってるみたいに、すぐ見つけられたんだ」
これは本当の話。
目立つ格好をしてるわけではなく、むしろ初めてのライブで戸惑うように団扇を手に立っているだけの彼女だったが、どんな派手な子よりすぐ目に留まった。
それどころか、彼女以外、目に入らなかった。
「どこにいてもAちゃんのことだけは見つけられると思う。きっとこれは俺の才能だな」
得意げに言うと、彼女は恥ずかしそうな笑顔を俺に向けた。
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SaYaKa(プロフ) - yndreamv0mm0vpqさん» コメントありがとうございます!!たくさんドキドキしてもらえるように頑張ります^ ^ (2018年8月2日 7時) (
レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
yndreamv0mm0vpq(プロフ) - 今後の展開がすごく気になります。2人はどのようにして再開し、恋に発展して行くのか。ドキドキ。楽しみにしています。 (2018年8月1日 18時) (レス) id: 59b8f94fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2018年7月31日 1時
