※第８３話 ページ35
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身体が怠いし吐き出す息も熱い。
息苦しいうえに熱にやられて思考も上手く回んない。
風邪を引いたのなんていつ振りだ？
少なくともここ何年かは記憶すらない。
Pirrr...
Pirrrrrr......
「っ、誰だよ」
鳴りやまない着信音。
歪む視界の中。
画面に表示された名前に項垂れた。
「昨日の今日で何か用？」
「ずいぶんな言い草だな、ブラッディ。仕事だ」
相も変わらず俺様口調なジンに深く息を吐き出した。
「・・・悪いけど俺じゃなくてもいい仕事なら今回はパス」
生憎と組織の人間じゃない俺にその俺様口調は通用しない。
「珍しいな。お前が内容も聞かずに断るとは」
自分で言うのも癪だけど。
「風邪引いたんだよ。今の俺は使い物にならない」
正直、起き上がるのもしんどい。
っていうか声の感じとかで少しくらい察しろよ。
「ふん、まぁいい。他を当たる。さっさと治せ」
「何？心配してくれんの？」
珍しいこともあるんだな、と口許が緩んだのも束の間。
「馬鹿が。使い物にならなくなったら直ぐに棄ててやる」
覚悟しておけ、と吐き捨ててジンは乱暴に通話を切った。
「・・・ほんと口悪い」
病人なんだから少しくらい優しくしてくれても良いだろ。
もはや悪態を吐く気力もない。
ぐったりとベッドに突っ伏した。
もう誰からの連絡も受けたくなくてスマホの電源を真っ先に落とす。
・・・これでやっと寝れる。
そう思っていたのに。
熱に浮かされた身体はそうもいかない。
息苦しいばかりで眠れそうにもなく。
浅い眠りを繰り返し無駄に体力を奪われてるような気さえしてきた。
周りに誰もいない一人っきりの空間。
「・・・風邪の時は寂しくなる、って本当だったんだなぁ」
思い浮かんだのは降谷さんの姿。
「何で、今」
自分の思考が理解出来ず眉根を寄せた。
ピンポーンー・・・
鳴り響いたインターホン。
「・・・今度は何？」
怠い身体を起こしリビングの壁際に設置されたカメラを覗いた。
映っていたのはー・・・
ついさっき思い浮かんだ人物だった。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです！体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります！ (2019年12月29日 17時) (
レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます！駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します！ (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鐘稀 | 作成日時：2019年11月25日 14時
