※第１８話 ページ20
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入院二日目ーー
「朝から検査、検査、検査、検査っ」
数の多さに、眉間に皺が寄る。
ただでさえ昨夜の失態が尾を引いてるというのに。
『遠隔操作』
安室さんの前で、つい口が滑ってしまった。深くは追及されなかったが、きっと納得はしてない。
「今頃、洗いざらい調べてるんだろうな」
そして、それはもう一人。
昨夜、ベッドの裏側で見付けたシール型の盗聴器。仕掛けたのは、恐らく江戸川コナン。
会話を聞いていたなら彼の興味も惹いたはず。
ーーそれでいい。
彼の側には'沖矢 昴'が居る。
そいつの正体を探るには、コナンが鍵になる。
その事を踏まえ、あえて盗聴器を残した。俺の独り言を何処かで聞いていると信じて。
それにしても。
「・・・暇」
スマホで遠隔操作出来るとしても、容量もスペックも違いすぎる。
俺の日常生活=情報収集
制限されている今、苛立ちだけが募る。
たった一日、されど一日。
パソコンに触れないのが、こんなに苦痛だとは思わなかった。
「早く帰りたい。早く情報整理したい」
枕に顔を埋めて子供の駄々のように足をバタつかせた。
コン、コンーー
響いたノック音。
素早く身体を起こし、ゴーグルを装着した。無論、警戒も忘れずに。
「・・・どうぞ」
声を掛ければ、遠慮がちに病室の扉が開いた。
入ってきたのは、昨日コロンボに駆け込んできた好青年の刑事。
ーー確か、高木さん。
「自分は捜査一課の高木渉と言います。高崎Aさんですよね？」
警察手帳を翳し、人懐こい笑みを浮かべる高木刑事。
こういう人は懐に入られると弱いんだろうな、と直感が告げる。
一方の高木刑事はゴーグルが気になるらしい。怪訝そうに眉根を寄せ、じっと此方を見つめている。
予想通りというか、何というか。
反応がすごく解りやすい。
警戒するのが馬鹿らしくなって止めた。
とりあえず被るものがほしい。
っていうか、俺の外套どこいった？
証拠として警察に回収された、とか？
・・・後で確認する必要があるな。
「昨日は、どうも。・・・俺に何か用でしたか？」
意識を戻すように問いかければ、高木刑事がハッとしたように顔を上げた。
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作者名：鐘稀 | 作成日時：2019年11月2日 21時
