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当日 緑間目線
ベンチに入って何気なく観客席を見上げると、
審判席の真上らへんの席の最前列に麗香が
珍しくバアルさんを連れずに一人で座っていた。
「麗香ちん、来てるね…」
「ああ。絶対に負けられないな…」
ぽつりと呟いた紫原の言葉に赤司が頷く。
青峰は、考えるようなそぶりを見せたあと口を開いた。
「アイツ、なんかジャバウォックと関係あんじゃねぇの?」
それは俺も思ったのだよ。麗香が来日したのも
ジャバウォックと同じ時期。そして、試合まで来ていた。
ただ単にジャバウォックの試合が見たかったのかもしれないが、
それならアメリカでいくらでも観れたハズ。
「だけど、いくら強いからって麗香っちが
アメリカで人気だけど評判が悪いチームとつるんでるっスかね…?」
「麗香さんは勝利に固執するようになった。
だとすれば、アメリカで最強のチームと
接触している可能性は、ゼロじゃ無いですよ。」
黒子の言っていることには一理ある。
今のあの麗香なら、やりかねないのだよ。
「麗香ちゃんの事は…ごめんね、私もいろいろ調べたんだけど、
なにも出てこなかったの…」
申し訳なさそうに眉根を寄せながら言う桃井。
でも決して桃井が悪いわけでは無い。
俺達のような、一般の高校生が調べられるような
人物では無いのだ。
金祥院 麗香という人物は……
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作者名:舞華 | 作成日時:2017年11月26日 20時