Episode13 -3 ページ13
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なんとなくソワソワする私とは違って翔さんはあとで大判焼き食っていい？なんてのんびりと参道の屋台を見渡している。
「おい、危ない」
「わっ…」
ぐいっと引き寄せられて顔を見上げると、すぐ横を綿あめを持った子供が駆け抜けていった。
「ボーっとしてるとぶつかるぞ、逸れたらどうする」
「すみません」
いけない、つい考えこんじゃった。
せっかく翔さんとの初デート…と、呼んでいい…よね？に来てるんだから、余計なこと考えてるのはもったいないよね。
翔さんがどれだけ女性に人気があったとしても、街を歩いているだけで女性の視線を一身に集めるのだとしても、今は翔さんは私の王様なんだから。
「ほら」
「え？」
ふいに、目の前に手が差し出される。
大きな手にはさっきまではめられていた手袋の姿がない。
「え、じゃない。逸れたら困るだろ」
眉を寄せて文句を吐き出すと翔さんの手が私の手をつかんだ。
「あ……」
「なんだよ……いいだろ、恋人なんだから」
「……はい」
ちょっとそっけないけど、その優しさも温もりも、恋人だという発言もこの状況もなにもかも嬉しくて、口元が緩む。
ゆるみ切った顔できゅうと手に力を込めた私に、翔さんが「ふっ」と息だけで笑った。
手が繋ぎやすいようにちょっと翔さんに寄ると、ダウンに包まれた腕と腕がぶつかる。
またきゅっと手を握りなおした翔さんは、顔を反対側へ向けてしまった。
その動作も愛しくて、私も何となく顔を逸らす。
手から伝わる温もりに熱を持った頭の中でふいにあの頃の私はこんな気持ちを抱いていただろうかと考えた。
手を繋ぐだけでこんなに嬉しくなったり、恥ずかしくなったり、好きだなぁって、思ったり。
そんなにも強い感情だっただろうかと、どこか遠くに思う。
そんなもの、かもしれない。
けれど。
この想いだけが、特別なのかもしれない。
……これが、運命ってことかな。
なんて、すごく浮かれたことを考えた。
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iCHiKA(プロフ) - ほのかさん» コメントありがとうございます。ドキドキ、キュンキュンしていただけてるとのことでそう言っていただけると安心します。お心遣い感謝いたします。のんびりになってしまいますが、今後ともお付き合いの方よろしくお願いいたします！ (2020年3月21日 22時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - はじめまして！毎回ドキドキ、キュンキュンしながら読ませてもらっています！更新は主さんのペースで大丈夫ですので、続き楽しみにしていますね(*^_^*) (2020年3月21日 1時) (レス) id: df21e98da9 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - なるちゃんさん» コメントありがとうございます。一気読みとはありがとうございます！気に入っていただけたようで大変光栄です。引き続きお楽しみいただけるよう頑張りますのでお付き合いいただけましたら嬉しいです！ (2020年3月11日 21時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろ過ぎて一気読みしました！今AM3時！眠れそうにない！続き楽しみにしていまーす！ (2020年3月11日 3時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年2月9日 11時
