Episode9 -5 ページ23
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なんてことはない一言かもしれないけれど、雅紀くんはまるで魔法使いみたいだ。
そう言えば私があきらめやすいって、雅紀くんにはわかっているのかな。
ネガティブに考えがちな私を掬い上げるように。
雅紀くんの言葉はポジティブで、眩しくて、温かい。
すとんと胸に落ちる言葉は、本当に魔法なんじゃないかと思う時がある。
こればかりは変わらない。
ずっと、変わらない。
雅紀くんらしいところ。
「……雅紀くんって、私が欲しい言葉がわかる特殊能力でも持ってるの？」
ゆるりと弧を描く唇からそんな言葉を息と一緒に吐き出せば、私のお皿に焼きあがったお肉を乗せてくれていた雅紀くんが「くふふ」喉で笑った。
「じゃあ能力者ってことにしとこうかな。そっちのが格好いい？」
「雅紀くんはいつも格好いいよ」
「！」
うそなんかじゃない。
雅紀くんはいつも格好良い。
昔から女の子に人気があったことも知ってる。
今年もプレゼントは一つ、なんて毎年言っているけど。
そんなことないのも知っている。
柚木のお客さんにプレゼントを渡されているところを何年か前に見たことがある。
それを断っていることも、知ってる。
「ありがとう雅紀くん、今年も一緒にいてくれて」
この愛しさは嘘じゃない。
彼と一緒にいたいのだって嘘じゃない。
それが恋ではないというだけ。
雅紀くんの丸い目は櫻井さんの整ったアーモンド形の目とは違って美しさよりも格好良さが目立つ。
雅紀くんはしばらくじっと動きを止めて私を見ていた。
視線に気づいて見返すと、その目がすうとビールジョッキに逃げる。
少なくなったそれに手を伸ばして握りこむと一気に残りを煽った。
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iCHiKA(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます。初めから読んでいただいているとのこととても光栄です。これ伝わるかなぁと思いながら書いてたシーンなんですが、そう言っていただけてよかったです！引き続きお楽しみいただけるよう頑張りますのでお付き合いの方よろしくお願いします。 (2020年2月5日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 初めてコメントさせてもらいます。立ち上げ当初から読ませて頂いてたんですが、今回のシーン、ゾクゾクしました！素敵です。このお話がとても好きなので、更新楽しみにしてますね。 (2020年2月4日 20時) (レス) id: c24168ecda (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - あまさん» 続編にもお越しいただきありがとうございます！引き続きお付き合い願えれば嬉しいです。 (2019年12月29日 21時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
あま - 移行お疲れ様です!!!これからも楽しみにしてます!頑張ってください!!! (2019年12月29日 0時) (レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2019年12月27日 15時
