Episode8 -10 ページ17
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その帰り道。
駅前まで送ってくれるという櫻井さんと一緒に繁華街を歩いている途中、私は目に留まったコーヒー店の商品に思わず足を止めた。
「あ」
「どうかしました？」
「いえ、友人への誕生日プレゼントを買ってなくて、よさげなものがあったのでつい」
確かコーヒーミルがそろそろ壊れそうだって雅紀くんが言ってた時があった。
買ったって報告を受けてないからまだ買い替えてないと思うんだよね。
「あぁ、雅紀くん、でしたっけ。友人想いの貴女は大変素敵ですけど、俺と一緒にいるときにほかの男のことを考えるのはできればやめてほしいんですが」
「そ、そんなつもりじゃ！」
また普通の顔して櫻井さんがそんなことを言うものだから私はあわてて声を上げる。
本当に、どうしてこの人はすぐそういうことを言うんだろう。
「ふふ、冗談です。そんなに焦らなくていいですよ。貴女は俺とは違って優しい人ですからね。なんなら見ていきましょうか」
「大丈夫です。後日探しに行きますから」
さすがに櫻井さんに付き合ってもらうのは申し訳ない。
それとこれとは、分けるべきだと思う。
「でもイブなんですよね、その彼の誕生日。だったら早い方がいいのでは」
「でも…」
私がためらっていると、櫻井さんが小さく息をついてそれから息を吸い込んだ。
「……わかりました、白状します」
そんなことを言った櫻井さんが肩から力を抜いて眉を下げる。
「え？」
「もう少し貴女と一緒にいたいので寄り道しましょう、と、言ったのですが」
「！あ、えっと」
こんな台詞を聞くのは今日二度目だ。
鈍いって言われません？と笑っていた櫻井さんの顔を思い出す。
「すみません、俺のわがままです。付き合ってもらえますか？」
「それはあの…こちらこそ……ぜひ……」
「はい。行きましょう」
声がだんだん小さくなっちゃったけどそう頷けば、櫻井さんが笑ってコーヒー店へと歩き出した。
結局その場でコーヒーミルを購入してお店から出る。
「すみません、付き合ってもらってしまって」
「こちらこそわがままに付き合ってもらってありがとうございます」
あくまでわがままを強調してくれる櫻井さんの気遣いがありがたかった。
「あれ、百合くん？」
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iCHiKA(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます。初めから読んでいただいているとのこととても光栄です。これ伝わるかなぁと思いながら書いてたシーンなんですが、そう言っていただけてよかったです！引き続きお楽しみいただけるよう頑張りますのでお付き合いの方よろしくお願いします。 (2020年2月5日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 初めてコメントさせてもらいます。立ち上げ当初から読ませて頂いてたんですが、今回のシーン、ゾクゾクしました！素敵です。このお話がとても好きなので、更新楽しみにしてますね。 (2020年2月4日 20時) (レス) id: c24168ecda (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - あまさん» 続編にもお越しいただきありがとうございます！引き続きお付き合い願えれば嬉しいです。 (2019年12月29日 21時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
あま - 移行お疲れ様です!!!これからも楽しみにしてます!頑張ってください!!! (2019年12月29日 0時) (レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2019年12月27日 15時
