吉良ヒロトの妹は、記憶喪失で○○と○○の幼なじみ！？[アレスの天秤] (ページ19)

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十四話ページ19

タツヤサイド

玲「あそこまで個人技で持って行けるなんて、ヒロトさんやっぱり只者じゃないわね」

足を痛めて交代した玲名はそう言った。

タ「あいつは父さんが留守のあいだ、いつも豪邸で一人ぼっちだった、あいつにとって、サッカーボールだけが友達だったんだ、父さんは忙しい人だからだ」

晴「なんだそれ、レイは妹だろ？あいつがいるんじゃねぇのか、それに、ボールが友達だからって、なんであんな個人技が身につくんだよ」

タ「レイはあの頃は～～～だったから、毎日家に居るわけじゃなかっただろ、だけど、彼女の影響も少しあるかもしれないな、あいつとレイは、部屋の中でサッカーをしていたんだ。俺達がお日さま園でボールを追いかけていた時だ」

タ「あの時俺たちは、夢中でボールを追いかけていた」

この時、俺が父さんの家に迷い込んだ時ヒロトとレイに初めてであったんだ。

「広い豪邸とはいえ、室内でボールをければ壁に跳ね返り、複雑な軌道を描くことになる。
あいつとレイはそんな状況でボールを蹴り続けた。そのことにより、動体視力は鍛えられ一種の特訓のような状態になったんだ、でも俺が気になったのは、ヒロトだけは、一つ一つの蹴りとともに、怒りをぶつけているようだったんだ」

「父さんの本当の息子と娘なんて、全てを持っているものだと思っていた。なのにヒロトとレイは違ったんだ。あいつのサッカーテクニックは、誰とも連携せずに生まれた究極の個人技なんだ、あの技こそがある意味、父さんへの反発だったのかもしれない、あの頃、俺と出会ったことなんて…あいつとレイは覚えていないだろう」

ヒロト、レイ、今のお前達は何を考えてボールを蹴っている？

～ここからヒロトサイド～

タツヤ、お前はあの時のこと、覚えてんのか？

あの時から何度か、窓越しから話もせずボールで遊んでいた俺たちは、しばらくたってからあの日、面と向かって会ったんだ。

ヒ「どうしたレイ？」

貴「いつも一緒にボールで遊んでいる男の子がいる！」

そして扉を開けた先にいたのは、タツヤだった。

ヒ「！」

タ「君達、サッカー上手いね！」

ヒ「！そうか？」

タ「ねえ、いつかさ、フットボールフロンティア、一緒に出てさ！そんで日本一、目指そうよ！」

ヒ「フットボールフロンティア？なんだそれ」

貴「サッカーの全国大会だよ！」

タ「日本一を、目指そうよ！！」

ヒ「興味ねぇよ」