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日陰独特の温度が、足から伝わってくる。






『…目黒はさ、なんで私に告ったの?』




「え、好きだから」




『やっぱ嘘っぽいんだよな』




「でもこれ以外の言い方なくね…?」




『んー、言い方っていうか、状況?
アンタみたいな人気者が私を好きとか有り得ないじゃん。からかわれてるとしか思えなかった』




「そっかあ。
…俺、目立ちたくて目立ってんじゃねんだけどなあ」






見た目が先行してしまっているだけで、中身は意外と普通なのかもしれない。

案外、悪いやつではないのかもしれない。






『ご馳走様でした。ごめんね、待たせて』




「んーん、全然」






お弁当箱を閉じて、風呂敷に包みなおした。

今日は比較的暖かい日だけど、ベンチは日陰になっていて肌寒い。






『アンタ、友達いないの』




「友達?まあ、部活の奴とは仲良いけど」




『ふーん』




「なに。笑」




『…私、アンタと友達になってあげてもいいよ』






目黒ほど素直にはなれないけど、ちょっとくらいは寄り添ってみたいと思った。






「…え?」




『教室の隅で目立たないようにしてるタイプじゃん、私』




「…うん?」




『だからその、仲良くはしたいけど、堂々と仲良くはできないというか』




「…うん」




『ただ私が意気地無しなだけでごめんなんだけどね』




「ううん、」




『人気者でもそうじゃなくても、目黒と仲良くなってみたいと思ったの』




「っありがとう、」




『ねえ泣きそうにならないで。笑』






人気のない裏校庭、告白みたいなテンションで友達になりたいと言う私。
それに告白されたみたいなテンションで感動する目黒。

こんなに嬉しそうにすると思わなくて少し驚いたけど、本当は寂しかったのかなと思ったりした。





「Aちゃん」




『ん』




「ありがと、!」






少し上から覗き込まれる。

キラキラの目。
ちょっと下がった目尻。



数日前、隣の席になって顔を合わせた時と同じだ。

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作者名:MooN | 作成日時:2022年1月31日 20時

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