君の隣が似合いたい【黒】 (ページ25)

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「え、目黒くん、だよね！」

ああ終わった。

さっきの隣のクラスの女子達が興奮気味に近づいてくる。
顔は見えないけど、声質的に1番のゴシップガールだ。

「か、彼女さんいたんだ…！」

『っえ、？』

待って待って…バレてない…？どういう状況？？

「…んー、まだ彼女ではないね」

…こいつあほだ。

含んだ言い方すな。

私だとバレていない(？)のをいい事に。

言い訳したいなら可愛い子を連れてこい。

「そうなんだ。えーかわいいー！」

「ね！」

「可愛い…当たり前か…目黒くんだもんな…そりゃそうか…」

「ふふ、でしょ？笑」

…目黒はいつ私の手を離してくれるんだろうか。

いつまで辛抱してたらいいんですかね。

そんなことを考えていると、目黒がフッと笑った。

「ほら、褒めてくれてるよ」

『…私？』

「そう。可愛いってさ」

『わ、私がですか…？？』

「そうだよお！もう、この子てんねーん！可愛いー！！」

『いや、え…？？』

顔の表情を読み取れなくて、嘘なのかお世辞なのか分からない。

「…あ、映画の時間やばくない！」

『へ…』

「ほんとだ」

「やばい！じゃあ、私たち行くね！目黒くんもばいばい！」

「うん」

『…あ、どうも…？』

嵐のように去っていった女子達に圧倒され、暫く立ち尽くす。

「すげえ…まじでバレなかった…」

『…マジで言ってる…？？
てか、え、手離してもらっていい？？』

「あっごめん」

『はあ、やっと自由だ。てか眼鏡も返して？』

「おおごめん」

久しぶりに眼鏡をかけて一安心。

眼鏡って偉大。()

『ありがと。

…え、ねえ、本当にバレてなかったの？
目黒だから気を使ってたんじゃないの？』

「多分大丈夫」

『なんで…？』

「好きな人がいるってアピールできたから良かったわ。まじありがと。
あと無理やりでごめんね」

『いや大丈夫ですけど…』

申し訳なさそうに謝ったと思えば、今度はご機嫌に歩き出した。

なんなんだ。

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