・ ページ9
・
腰をさすってる私の事はおかまいなくって首を振ってみせたら
不思議そうに目をパチパチしてた。
健「あ、そうそう。
エリー、所属希望もう出したん？」
「ううん。書いてはいるんだけど
あんまり早く出してもって思ってタイミングみてるかな？」
健「衣装班と美術やろ？」
「うん」
健「はぁ、エリーも役者組入ったらえぇのになぁ」
おっきくのけぞりながらそう言うこじけんくんの声は
けっこう響いてて、
阿南くんが斜め前から「こじけんうるさぁーい」ってツッコんでる。
健「阿南よぉ、俺は演劇部の未来を想って
エリーを勧誘してんねんで？
それをなんたる無礼千万」
阿「千万も無礼働いてへんわ」
阿南くんがキレよくツッコむ隣で恩田くんがにこにこしてる。
恩田くんも確か美術セクション残るって言ってたよね。
また一緒に小道具作れるといいなぁ。
健「まぁ、エリーの女優勧誘は割とガチやねんけどな」
「え！？」
じっとこっちを見て言うこじけんくんは
本当に真剣な顔してるからビックリしちゃって。
「な、なんで？」
健「いや、3年の先輩らん中で卒部公演の後で籍残すん
誠也くんとリチャ君と美術の荒巻先輩ぐらいやで？
そうなったら女優がキク子さんしかおらんやん。
眞鍋先輩帰ってくるん来年の9月言うてたし。
もしも来年の1年が俺らみたいに女子がおらんかったら
ちょっと脚本やら演出やら方向変わるんちゃうかなと思ってな」
「あ、なるほど……」
2年生は結城先輩とキク子先輩、あとはイギリス留学中の眞鍋先輩だけだし、
1年生はもちろん私だけだから
しばらく演劇部は女の子が少なくなるんだ。
演劇部の先輩たちは優しいから男子の先輩でもみんな話しやすいけど
やっぱり女の子が少ないのは寂しいなぁ。
口をむぐむぐしながら考えてたら
こじけんくんにほっぺをむぎゅって潰される。
健「アナタは役者をやりたくなぁる〜やりたくなぁる〜」
「な、なひまへん！」
そんなほっぺたふにふにさせてもやらないです！
必死に目で訴えてたら、
「ほっぺた赤なった(笑)」って笑いながら手を離してくれた。
よかった、今日寝坊しちゃったからノーメークで。
健「やろぉやぁ、楽しいで？
次のセクション長まっさんやし」
「そ、そういう邪な理由で選ぶほどテキトーじゃないもん！」
健「けど『夏バケ』頑張れたんはまっさんのコスプレのおかげやろ？」
「ぐぬぬ、」
それは否定できないけど！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリア | 作成日時：2023年12月1日 22時
