◆ほんものの王子様は。 ページ37
・side.Masaya
『え、受かった……』
佐野晶哉、17歳。
春より3足くらい早く、桜咲きました。
―……ま、晶哉。大丈夫か？―
―アホ！気ぃ遣いよ！佐野くんあんな自我0の顔してんのに―
―マジか……、晶哉が落ちるなんて―
コソコソ斜め後ろ辺りから聞こえる声にくるっと振り返ったら、
みんな一斉にぎょっとした顔になって。
『……受かったぁぁぁぁ！！』
―えぇぇぇ！？―
嬉しすぎるあまりみんなに腕広げてダイブしたら、
―わっかりにくいねんアホ！―
―気ぃ遣って損したわバカ！―
―もっと喜びを爆発させろよこの塩顔！―
『待って最後の悪口なん？』
めっちゃ脇腹殴られたけど
それでも「おめでとう！」ってお祝いしてくれて、
みんなやって受験終わってへんのに
えぇ仲間持って幸せやなぁってうっかり泣きかけたら
ニヤニヤしながら写真撮られまくって
先生にバレてスマホ没収されてたけど、
まぁ、そんなこんなで無事大学に合格できまして。
・
「あ、大晴くーん！」
大「晶哉ーっ！！」
ぶんぶん手を振りながら走ってきた大晴くんはその勢いのまんま、
大「合格おめでとーっ！！」
「ごっふッ！」
え、俺今タックルされたんちゃう？って勢いでハグされて、
ほっぺたすりすり頬ずりされてる。
ここ普通に外やしめっちゃハズイねんけど、
ちょっとだけ嬉しかったりして。
大「これで晶哉と来年いっぱい遊べるな！」
「いや、遊ぶんは別に大学違うくても遊べますやん(笑)」
大「全然ちゃうもん！
一緒に学食行ったり部室で駄弁ったりできるやん！」
「えぇ？それって遊びに入るん？」
高校生の日常やんって思うけど
ぷりぷりしながら力説してる大晴くんがかわえぇから
あんまツッコまんとこ。
今日は大晴くんが俺の合格祝いしよ！って言うて
金曜に報告したのに「じゃあ日曜に！」って聞かへんから
お互いの家の真ん中ぐらいのとこで待ち合わせして
ラーメンでも食べに行くことになって。
大「えーどうしよっ？
チャーシュー麺もえぇけどチャーハンも食べたいなぁ。
あ、餃子もある。
なぁ、晶哉はどれにする？」
「僕はラーメン単品でもえぇかなぁ……なんて、」
大「えぇ！？
せっかくのお祝いなんやしいっぱい食べよーや！
俺と分けっこしよ！」
「そうですか……？それなら、まぁ、」
ちゃんとガチのマジの小食なんやけど、
どうやら大晴くんのかわいさの前には勝てへんらしい。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年12月1日 22時
