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キク子が行きたいって言ってたお店や
お洒落なカフェなんかを回って
できる人が交代で運転しながら色んな話をして。
菊「よっしゃー！まっさんの負け！」
榛「ジュースあざす！」
良「くっそー！7人分って奢り界隈でもなかなかな奢りやで？」
戸「奢り界隈ってどこだよ」
鳴「まぁまぁ、僕も荷物持つん手伝うから」
良「はぁぁ、やっぱし良心はなるみんだけやわぁ♡」
鳴「……人件費はアイスでえぇよ？」
良「え、」
にっこり笑った鳴海くんに正門が震えながらついてくのを
見守ってたら、
織「お隣失礼？」
「オリバー、」
ベンチの隣に腰かけたオリバーが大きく息を吐く。
織「はぁ……、実修に行きたくないよ(苦笑)」
「3月までだっけ？」
織「そう。巽先輩と同じ時期に部活にいないよりかは、と思って
入れたんだけど、正直かなり寂しくてさ」
「ふふ、たまに息抜きがてら遊びに来たらいいよ。
キク子が喜ぶから」
織「どうだか。
口うるさいメガネがいなくて清々してるんじゃないか？(笑)」
……まぁ、キク子も素直じゃないからね。
なんて、これは本人のためには今は言わないでおくけど。
織「あのさ、ユキ」
「ん？」
急に改まって名前を呼ばれるから振り返る。
織「……まっさんをよろしくな」
「え、」
私を見るオリバーの表情は穏やかで。
織「何でも卒なくやれそうに見えるし、
実際何でもできるんだけどさ。
たまに独りで虚ろな顔してる時があるから。
色々考えこんで毒にならないように、傍にいてやってほしい」
オリバーの言ってることには心当たりもあって。
だけど、
「……私、甘やかされてばかりだけどいいのかな」
織「それでいいんじゃない？
まっさん甘えられるのも甘やかすのも好きだし。
それでいてやっぱりユキのことは特別に想ってるんだろうから」
そう言われてしまえば、断ることは難しくて。
だけどそれを引き受けたら
曖昧なままにしていたことを次に進めなきゃいけない気がして、
返す言葉に詰まる。
そんな私を見抜いたオリバーは、ぽん、と頭を撫でて、
織「ま、無理しない程度にってことで」
って眉を下げて笑った。
良「お待ちどぉさん。
ついでやしアイスも買うてきたけど食べる人？」
菊「寒いけどはーい」
榛「お腹冷えるけどはーい」
織「タダだからはーい(笑)」
良「おい、全部一言余計やねん！」
ずっとこのままで、なんてワガママなのかな。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年12月1日 22時
