▼〇勝手に恋してただけ。-Orange ページ19
・
「ふぅ……、」
集中講義があった関係で1週間部活を休んだ後は、
いつもの教室に入るんもちょっと気合いがいって。
「……っし、」
軽く頬を叩いたら扉に手をかける。
バタン、
「お疲れ様でーす、」
―おぉ、大晴久々見た(笑)―
―サボっとったん？―
「ちゃいますから！集中講義やってん！」
先輩らと軽口交わしながらちらっと奥を見たら
ユキさんと目が合って足が止まる。
「あ、」って目を大きくしてこっち見たユキさんは
何か言いたそうにして
でも、すぐに目線を逸らしてもうた。
……よかった、ちゃんと飯食ってそう。
酒寄のことまだ引きずってるかもって心配してたから
ほっとしながらいつもの席に座ったら、
こじけんが「おっつー」ってゆるく手を挙げる。
健「ポッキーいる？」
「2本食べたい」
健「じゃあ3本な」
「いやぁんありがと♡」
健「あい、」
めっちゃ雑に口に突っ込まれるから
なんとかもぐもぐしてたら、じっとこじけんがこっち見てきて。
健「大丈夫そうなん？今日の活動は、」
「おん。気持ちの整理はついてるから、
あとはちゃんと話すだけよ」
誠也くんにも面談の時に「大丈夫なん？」って言われたけど、
体力もメンタルもおかげさまでタフにできてるらしく、
集中講義こなしながら
これからの身の振り方はちゃんと考えてきたつもりやし、
あとは相手の出方次第ってとこで。
健「そっか。ま、無理せん程度に頑張りや。
もう2本まで食べてえぇで」
「やった、ありがと」
健「おい、1本多いぞ」
「え、ケチすぎひん？」
とかなんとか言いながら1袋まるまるくれたから
2人で仲良くシェアしてたら、
「お疲れ様です！」って元気にエリーが入ってきて
俺を見つけるなりぱたぱた走ってきた。
江「大晴くん！今日から復帰なんだね」
「おん、ありがとうなエリー。LINEくれて」
江「ううん。私も大晴くんとお話したいことあったから」
健「え、なになに。何を2人で語らったん？」
江「えっと……、ないしょ」
健「うわぁいけずやなぁ、俺ら一目惚れ同盟なのに」
「名誉会員とガチ勢一緒にすんなって(笑)」
こじけんに「賄賂や」ってエリーがポッキー餌付けされてるん見てたら
誠也くんが入ってきて
一気に部活が始まる空気に変わってく。
誠「全員着席ー。活動始めんで」
いつもの号令でみんなが席についたら、
「整理つけた」とか言うたくせにちょっと胸がドキドキしてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリア | 作成日時：2023年12月1日 22時
