・ ページ17
・
螢「恋の、続き……」
「うん。ほたるちゃんが福本先輩のこと話してる時の顔、
私はめっちゃ可愛いと思ってた。結城先輩にも負けへんくらい。
まがい物になんてなる必要ないよ。
だってほたるちゃんはほたるちゃんのまんまで
十分素敵な女の子やもん。
やから、福本先輩にほたるちゃんの気持ちをまっすぐ伝えてみようよ。
まだ何にも終わってなんかないよ」
立ち止まってるほたるちゃんの瞳が
ゆっくり瞬きする。
ぱち、ぱちってするたびにおっきな瞳がウルウルしていって
やがて、ぽろって涙が零れた。
螢「よっしー……ありがとぉっ、」
ぎゅー！って強く抱きしめられて
ほたるちゃんの「うぅっ、」って泣く声が耳元で聞こえる。
ほたるちゃんが元気になりますように。
小島先輩からパワーをもらう時みたいに
ぎゅって力をこめて抱きしめ返したら、
螢「うっ……、苦しい」
「あ、ごめん」
小島先輩の力加減でやったら、ちょっとダメだったらしい。
螢「グスッ、……よっしー、うち頑張ってみる！
大晴先輩にちゃんと気持ち伝えられるように」
「うん、私も全力で応援する！」
螢「ありがと！やっぱり持つべきは優しい友達やな(笑)」
赤くなった目を拭きながら笑ったほたるちゃんは
やっぱりかわいくて。
福本先輩に気持ちが届いたらいいなって心の底から思ってたら
ふにっと急にほっぺを包まれた。
螢「でも、言っとくけどうちのことばっかりになって
部長のことほったらかしたらあかんからね？
よっしーもちゃんと自分の恋してよ？」
「それは……」
螢「返事は「はい」だけ！」
「……はい、」
螢「よろしい、えぇ子えぇ子」
よしよしって頭撫でるのは小島先輩とほたるちゃんぐらいやから
恥ずかしくて顔が赤くなる。
小島先輩、今何してるんだろう？
顔が浮かんだら、何故だか無性に会いたくなってくる。
螢「今、部長のこと考えてたやろ？」
「え、なんで」
螢「だって友達やもん(笑)
あ、そう言えば秋文祭の後、結局小島先輩と何があったか、
まだちゃんと聞いてへんかったような……」
「え、だ、だからただプレゼントもらっただけ、」
螢「うちにウソがバレへんと思ってるん？」
「それはっ、」
螢「よっしー……全部話すまで帰さへんから！」
「え、待ってほたるちゃん！きゃぁぁ、」
がっちり手を掴まれて連行されてく廊下は
キャラメルみたいな夕陽が差し込んでキラキラしてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリア | 作成日時：2023年12月1日 22時
