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螢「正直ね、部長から話聞く前から勘づいてたっていうか。
大晴先輩の投稿見てたら
めっちゃ綺麗なお姉さんとの2ショットのってて。
なんか大晴先輩好きそうやなぁって(笑)
ほら、高校ん時付き合ってた人とかあんな感じやったやん？
それで実際会うたら結城先輩が美人すぎて、
「うわ、絶対勝ち目ないやん」って笑っちゃった(笑)
大晴先輩、電話してる時とかめっちゃ好き！って顔してたし」
つらつらと言葉を重ねるほたるちゃんが足を止めへんから
ついて行きながら、こっそり横顔を盗み見る。
螢「結城先輩、ほんまに美人で優しそうな人やったもん。
うちみたいに大ざっぱで明るいだけみたいなんとは大違い(笑)
やから、あん時に心折れちゃったよね。
「あ、ムリやー！」って(笑)
やから、よっしーが謝ることないんよ？」
立ち止まって振り返ったほたるちゃんは
いつも通りの優しい笑顔のままで。
その顔を見て、なんでか私の方が泣きそうになる。
「……ほたるちゃんは、ほんまにそれでえぇの？
だって、ほんまに福本先輩のこと好きやったやん」
螢「ふふ、好きやで？
優しくて、明るくて、それを当たり前にできてる大晴先輩が大好き。
やけど大晴先輩には好きな人がおるし、
うちはそん人みたいになれへんのも分かってるから。
……無理して好きな人の好きな人演じたって、所詮まがい物やろ？」
“まがい物”
そんな台詞をほたるちゃんが言うのは珍しくて
ちょっとドキッとした。
にこにこ笑いながら視線を落とすほたるちゃんは
ふぅ、って息を吐きだして呟く。
螢「……これでよかったんだよ、きっと」
「ほたるちゃん……」
なんて言葉をかけたらいいのか分からなかった。
巻き込んだ分際で
「そんなことないよ」とか「大丈夫だよ」とか言える訳がない。
やけど、「そうだね」って言うには
ほたるちゃんの横顔があんまり寂しそうで。
ほたるちゃんはすごく優しくて
今もきっと福本先輩のことが好きで、
やけど福本先輩が幸せになることを考えてて、
私は、そんなほたるちゃんが好きで、
それで、
だから、
「……ほたるちゃん、今度勉強会しようって小島先輩が言ってた」
螢「え？」
「ぺんぎんといるか組で受験勉強会しようって。
福本先輩も来るから」
螢「え、でもうちはもう、」
「恋の続きを、しようよ。
諦めるのはちゃんと気持ちを伝えてからでもだめなんかな？」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年12月1日 22時
