◆〇「恋の続きを、しようよ。」 ページ14
・side.Yossy
「……じゃあ、これで一応引き継ぎは終わりだから。
これから頑張ってね？新部長」
―よっしーセンパァイ、卒業しないでぇ！
来年も一緒に演劇部しましょぉ(泣)―
「寂しいからって勝手に留年させるんやめて(笑)」
かわいい後輩ちゃんにぎゅ！って抱きつかれて
頭を撫でてあげてたら
じーっとこっちを見てくる熱い視線に気づく。
「……斗亜くん、視線が痛いんやけど」
斗「よっしー先輩、ほんまにもう部活来ぉへんの？」
ぱたぱたってこっちに近づいてきたら
抱きついてた後輩ちゃんを引き剥がしてぐいっと顔を近づけてくる。
入部した時から斗亜くんは人懐っこくて可愛かったけど
最近ますます懐かれてるというか、
ちょっと距離が近すぎるというか。
私が意識しすぎなんかな？
卒部を悲しんでくれてるとか？
でも、ほたるちゃんには全然そんな感じせぇへんけど。
斗「よっしー先輩？」
「え、あ、ごめん。なんか言った？」
斗「もぉ！部活は卒業かも知れへんけど
いっぱい斗亜に会いに来てなって言ったのに！」
「いや、その、必要やったら手伝いにもくるけど、
受験もあるし、そんなしょっちゅうは来れへん、」
斗「いや！よっしー先輩来ぉへんかったら
斗亜は部活をボイコットします！」
「えぇ！？えぇっと、」
「とあー、よっしー先輩困らせんな」って
後ろから風雅くんたちが笑ってるけど
目の前の斗亜くんはほっぺたをぷくぅって膨らませてて、
本人は本気なんかもしれへんけど、やっぱりかわいい。
弟できたらこんな感じなんかな？って想像しながら
いじけてる斗亜くんを見てたら、
部室のドアが開いてほたるちゃんが入ってきた。
螢「あ、よっしー！
なんか練習なくなったら全然会わへんから
めっちゃ久々感あるね(笑)」
「そうだね。もう秋文祭から一週間経ったし」
螢「あっという間にうちらはお払い箱やもんなぁ(笑)
寂しいなぁ、拓哉？」
拓「もぉイヤやってぇ！
ほたるちゃんくっつきすぎ！」
螢「従姉弟なんやからえぇやん！
それともちょっとドキッとしてるん？」
拓「ウザいー！風雅変わってやぁ！」
風「え、めんどいからこたちゃんにパス」
彪「えぇー、どぉしよっかなぁ」
スマホいじりながら適当に相手してる風雅くんと彪太郎くんに、
ほたるちゃんに抱きつかれてジタバタしてるニシタクくんこと拓哉くん。
これもいつもの景色やったのに
もうお別れなんやな。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年12月1日 22時
