◆〇正反対のふたり ページ2
・side.Richard
振替休日明けの午後3時。
「会議中」プレートで人払いをした部室には
ユキと正門、後は役員の末澤と
改めて今回の件について事実確認をしてた。
誠「……まぁ、話は分かったわ。
明日の反省会で全部正直に言うてえぇってことでえぇんやな？」
結「はい……。ご迷惑をかけてすみませんでした」
誠「いや、別にユキが謝ることは何もないやろ。
ずっとキショい目に遭うて可哀想や思ってるし、
俺も部長として責任感じてる。
……ほんま、すまんかったな」
結「そんな、誠也くんは何も、」
頭を下げた末澤をおろおろしながら止めるユキ。
分かる、コイツが頭下げると怖いんよな。
リ「まぁ、酒寄の件はこれ以上話が酷なることはもうないやろし
しばらくはゆっくりしといたらえぇやん。
卒業公演は巽が脚本やる言うてるし」
結「そうですね、……ちょっと相談してみます」
日「そうそう！
美味しいもん食べてお出かけしていっぱいリフレッシュしよ？
ユキちゃんも疲れたやろうし」
「うちとデートしよー！」って日向から元気に慰められてるユキは
まだびみょーに引きずってるようやけど
これはもう時間が解決するもんと思うし、
俺らがどうこうすることちゃうくて。
やけど、問題はまだ残ってて。
誠「じゃあ、この話は一旦これで終わりってことで。
日「へーき！
末ちゃんと違ってちゃんと先生に見つからへんようにサボってるもん！」
誠「うっさいわ。あ、一応明日までは他言無用で頼むな」
日「おっけー！それじゃっ、ユキちゃん行くよ！」
結「え、行くってどこへ、」
日「カフェ！リフレッシュ第一弾ってことで
新作のスフレチーズケーキ食べに行こ！はいレッツゴー！」
結「え、ひなちゃん授業サボって、え、あぁっ」
ばたん、
賑やかなんがおらんようなったら
急に部室ん中はしんとしてまう。
勘がえぇユキにバレへんとえぇけど。
いや、逆に日向ならバレへんか。あぁ見えて頭えぇし。
とかなんとか考えてる横で、末澤がすぅっと息を吸った。
そう、本番はこっから。
誠「……正門。
俺、言うたよな？
酒寄が犯人やったってお前が言うた時に、
『ユキが傷つくから黙っといたろうな』って。
……何で、ユキに言うたん」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年12月1日 22時
