★〇心が鳴るのは(後編)-Purple ページ7
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健「せぇーの！！」
―ありがとうございましたぁっ！！―
一列に並んで深々とお礼をする舞台上に
心いっぱいの拍手を送る。
会場中から大きな拍手が聞こえることが
自分のことみたいに嬉しくて。
―お足元に気を付けながらご退場ください―
螢「なぁ、最高やったね！よっしー！」
「うん！ほんまに最高やった！」
興奮冷めやらない様子のほたるちゃんに腕をぺしぺし叩かれて、
やっぱりちょっと痛いけど
今はそんなの気にならないくらい私もテンションあがってる。
螢「ってゆーかナオヤのキャラやっぱり部長に似てたよね？」
「うん、私もそう思ってた(笑)」
螢「あれめっちゃ共感できたよね。結城先輩のあて書きなんかなぁ」
「それぞれ気持ちが入りやすい設定にしてるんやないかな？
ほら、のっ子さんとかもそうやし」
螢「あぁ、確かに！
演技経験ないってパンフに書いてあったし
ちょっと声上擦ってたけど、それが逆に良かったよね！」
「そうそう！」
出口の隅であれがよかったこれがよかったって
早口にほたるちゃんと話してたら、
辺りが急に騒がしくなってきて、
螢「あっ！部長と大晴先輩出てきた！
行こ、よっしー！」
「え、ちょっと待って！」
腕をぐいぐい引っ張られていったら、
小島先輩たちの周りは女の子がいっぱいで
背が高くない私は全然見えない。
螢「ぶちょー！」
健「おぉ、ほたるぅ。ちょっと待っといてくれ」
―小島くん、お写真えぇですか？―
―うちも！―
健「はいはいお並びくださぁい」
声だけが上から聞こえたと思ったら、
女の子の集団は一列に並んで
まるでアイドルみたいな写真撮影が始まった。
小島先輩と福本先輩が多いみたいで
次々女の子が横に並んだり、ソロショット撮ったり
小島先輩も満更でもない顔してるし。
あぁ、なんかちょっと、
面白くない。
いや、これでも観劇してくれたお客さんには違いないから
そんなん思うのはよくないって分かってるけど。
螢「なぁ、よっしー」
遠慮がちにほたるちゃんが袖を引っ張って、
吐きかけたため息が引っ込む。
「なに？」
螢「あ、あのな。
その……大晴先輩と写真、撮りたいねんけど、
一緒に並んでくれへん？」
ほっぺたを赤らめながら、ちらちら福本先輩を見てるほたるちゃん。
そうやった、忘れてた。
でもえぇか。
女の子に囲まれてる小島先輩を見るより、
そっちの方が全然気持ちがいいし。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
