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「お邪魔しまぁす」
結「ふふっ、おかえり」
「はいはい、ただいま。先に手ぇ洗っておいで？」
結「うぅ……」
だいぶ酔いが回ったんか眠そうな結城に続いて
手を洗ってリビングに戻ったら、
結「正門、」
「んー？」
結「ん、」
「もう、はいはい(笑)」
部屋の真ん中にぺたんと座り込んだまま
腕だけ伸ばしてアピールしてくる可愛い子を
あやすように抱きしめる。
やっぱ飲ませすぎたんかなぁ。
けど『欲動』の打ち上げ前に酔ったとこ見とけてよかったかも。
打ち上げん時はできるだけ隣にいれたらえぇねんけどな、とか
色々作戦を立てながら
肩に埋まる艶やかな長い髪を指先で梳く。
ちょこんと肩に乗っかる頭に頬を寄せたら、
結城はくすぐったそうに頭を擦りつけてきて、
結「正門、明日何限？」
「んー？明日は2,3限だけやで」
結「そっかぁ、」
それだけ言うてまた甘えるように肩に擦り寄る結城。
「なに？ぎゅーだけじゃ足りひんの？」
結「……うん、」
「やったら何してほしいん？」
結「……」
「ふふっ、なによ(笑)
ほんまにしゃあない子やなぁ」
うぅ、って小さく唸りながら
胸の中でちっちゃなる結城は意地っ張りで。
あかんよ？
そんなかわえぇことしたって。
「だんまりしとったら俺もう帰っちゃうで？」
結「……だめ、」
「やったら、どうしてほしいかちゃんと教えて？」
駄々をこねる結城を肩から剥がしてみたら、
とろんと絆された表情で恨めしそうに見つめてくる。
結「……分かってるクセに、」
「えぇ？分からんよ。俺はそんな物分かりえぇ男ちゃうもん」
結「正門、ズルいよ」
「そんなんよぉ分かってるやろ？」
かわいく睨みつけてくる結城の頬を撫でたら
すりすりと頬ずりして小首を傾げた後、
結城は恥ずかしそうに頬を赤らめて、
結「……一緒にいて？正門」
小さい声でそう呟いた。
「ふふっ、……えぇよ？」
柔らかい頬を食むように口づけを落とす。
結「ん……まさ、かど、」
甘い声で名前を呼ぶいけない唇を手で塞いで、
顔中にキスを降らせていく。
耳に、頬に、鼻に、
音を立てて唇を触れさせるたびにびくっと反応するその身体が、
決して“初”やない事も分かってるけど。
一瞬過った濁った気持ちを誤魔化すように
ベッドへ身体を押し倒す。
「ほんまにかわえぇなぁ……」
シーツに横たわる細い腰を抱きしめたら
紅く熟れた頬をもう一度柔く食んだ。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月18日 15時
