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―正門ー、ブースの前で女の子口説くんやめてくれへん？(笑)―
？「ちょっと！変な言い方止めてくださいよ、たつさん。
こん子は例のサークルに捕まってたんを保護しただけですぅ」
ブースの先輩と楽しそうに話してるお顔を盗み見しながら、
“正門先輩”って大事な名前をしっかり記憶する。
そう言えば、ここって演劇部のブースなんだよね？
つまり正門先輩も演劇部の部員ってことで。
もしかして、役者さんなのかな……？
だったらこんなに華やかでカッコいいのも納得できるもん。
どんなお芝居するんだろ。
もしかして、本当に王子さまだったりして。
―助けに来たで、お嬢さん？―
「それは、見てみたいかも……」
良「え、何か言うた？」
「え？あ、いやあの！」
うっかり口から零れちゃった欲望を聞き逃さなかった
正門先輩の綺麗な瞳がキラッと輝いて、
良「もしかして、演劇興味あるん？」
ち、近すぎる……！
ぐいっと至近距離でカッコいいお顔に見つめられたら
きゅんきゅんが止まらなくって。
「……はい、あります」
はっ！！
ばかばかばか！また私ったら勝手にっ。
我に返った時にはもう時遅しで、
正門先輩はすごく嬉しそうな顔して「そぉなんや！」って頷いてるし。
良「けっこう舞台とか観に行ったりする？」
「あ、はいっ」
大丈夫。2.5次元も舞台だよね？ウソはついてないよね？
良「お芝居やる方に興味あるん？それとも裏方？」
「え、と……衣装とか。たまに作ったりして、」
完全自己満のコスプレ衣装です、ごめんなさい！！
良「えっ、自分で作れるん！？
ほんならすぐにでも衣装班入れるわ。
誠也くんもキク子も後輩欲しがっとったしきっと大歓迎されんで」
「そ、そうなんですね、」
どうしよう、絶対入部希望だって思われてる……。
早めに訂正しないとって1人であわあわしてたら、
良「めっちゃ『困ってます！』って顔してるなぁ、お嬢さん(笑)」
「へ？」
うろうろしてた目線をあげたら
正門先輩はへにょんって眉をさげて
良「ごめんな、あたふたしてるんがかわえぇから
つい質問攻めしちゃった(笑)」
って、そんなのイジワルすぎるでしょ？
“かわいい”って言われるだけで照れちゃうのに、
良「まぁ、入るかどうかは別として説明だけでも聞いて行かへん？
こうして出会ったんも何かのご縁やろうし」
「ね？」ってあざとく首を傾げられたら、断るなんてできっこないよ。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
