キミ、カオル。I【すとぷり】

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side…ジェルくん

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「A、落とせたん？」


「……無理だった」



Aのハニトラレッスン初日の夜。


さとちゃんからの報告を受けて驚愕した。



「うそやろ!? さとちゃんで落とせへん女の子がいるん？」


「……いた。と、言うか俺が本気で襲いかけた」


「……うそやろ!?」



本日2度目の驚きを口にする。


今までさとちゃんがハニトラを仕掛けて落ちなかった女の子はいなかった。


さらにさとちゃんが本気になりかけただなんて。



「無自覚なんだよ。全部」


「えっ？」


「ジェルも気をつけな」



そう、幸せそうに笑うさとちゃん。





なんだか眩しかった。



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「はい、俺にシルシ付けて」



さとちゃんの言葉が信じられなかった。


たった、この一言で耳まで赤くしてる。



「……ほえ？」



Aは可愛い。


だけど、さとちゃんを落とす程のポテンシャルがあるとは思えなかった。



「俺に思い出させて、Aのこと」



幸せそうに笑ってた、さとちゃんを思い出す。


俺にも。


その幸せを教えて。


なんて。



「ほーら。練習」



その言葉と同時にふっとAの纏う空気が変わる。


膝に跨ったAが少しずつ俺の鎖骨に口付ける。


髪の毛から香るシャンプーのカオリ。


みんな同じものを使ってるから同じカオリがする。


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