キミ、カオル。I【すとぷり】

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ジェルくんが手をヒラヒラとさせる。


「ほーら。練習」


やるしかないのか。


私は立ち上がってジェルくんの膝の上に跨る。


両手でシャツを掴んでジェルくんへの鎖骨に顔を寄せる。


少しずつ鎖骨に口付ける。


ジェルくんの手が私の髪の毛を撫でる。


私が思いっきり強く吸い付くとジェルくんの指がピクっと跳ねた。


ジェルくんの肌にはっきり付いた赤い花びら。





「ジェルくん」





視線がぶつかる。




「これで私のモノ」




私が冗談混じりにで笑うと。


深いため息をついて俯いたジェルくん。



「……そう言うことか」




小さな呟き。


「どうしたの？」


「……いや。無自覚って侮れへん」


「えっ？」


顔をばっと上げたジェルくんが耳元で囁く。




「……Aのモノになっちゃったんだから最後まで責任持ってや」




そう言って抱き締められる。


優しく私の後頭部に添えられた手。


私の頭はジェルくんの胸に預けられている。


「じ、ジェルくっ」


慌てて離れようとすると、ジェルくんの手に力が入る。



「だめ。今は絶対離さへん」



肌から伝わるジェルくんの体温はびっくりするぐらい熱くて。


耳から聞こえる心音が私の心音とごちゃ混ぜになっていく。




━━━━━━━━あ、苺のカオリ。




沈んでく。




心音だけが混ざり合う二人の世界で。




溺れてく。




大人な苺のカオリに。


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