陽光と硝子【FGO】【ガウェイン】 (ページ12)

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第10話ページ12

ここからスーパー職人タイムです。

主がゾーンに入ります。
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先ずは杯の形を見よう。

少し大きめのワイングラスのようなものか。

次は装飾の系統だな。

大胆な花の、これは百合だろうか。あまり細かいとは言えないな。少しずつ削ろう。

細かい模様を…そうだな、螺旋のような幾何学模様もいいかもしれない。

寒色系のカラーを使うか。

四方八方から視線を感じるが、気にしていてはいけない。

死んだ後とはいえど、これは生死を賭けた一世一代の大勝負なのだから。

ここで工房(固有結界)を使っては皆に迷惑がかかる。作業は術式のみだ。

淡い光を指先に灯し、少しずつガラスをなぞる。

其処には雨上がりの空の様な色のガラスが螺旋を描いていく。

爪を少し立ててなぞれば、音の代わりに表面が削れていく。

時折息を呑む音や溜息が聞こえてくるがそれも無視。

のめり込め。これはお客様に頂いた大切な依頼だ。

はいり込め。これは一分のミスも許されないものだ。

そうして体感時間は十数分、もしかしたらもう少し経っているかも知れないが、

無事に杯の修繕は終了した。

ふっと息を吐くと、周りの空気も緩んだ気がした。

A「お目汚しになってしまうかもしれませんが、
完成した品物はこちらにございます。」

そう言って完成した杯を黄金の王に渡した。

満足していただけたらいいのだが…。