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「っ俺、Aさんのことが好きです!」
顔を赤く染めてやややけくそ気味に叫ぶのは、記憶が正しければ小学校の時に同じクラスだった男子。
高校に入ってからは話したことないし、ていうかそもそも同じ高校だったことすら知らなかった。
『…ぇっと…、ごめんなさい』
なんで私なんかを好きになってくれたんだろう、なんて考えながらも、私は頭を下げる。
こういうのは、期待させるような言動をしちゃいけないって、どこかで知った。
だから、はっきりと告げる。
『私、…貴方の気持ちに応えることはできません』
男子が息を呑み、視界の端に拳がわなないているのが見えた。
「…な、んで、」
喉の奥から出したような声。
「…他に好きな人、いるんですか……?」
顔を上げると、その男子は、悔しそうに唇を噛んでいて。
人をふるってこういうことなんだな、って、今更痛みを感じた。
『……、はい』
真っ直ぐ瞳を見つめて言うと、男子はやがてゆるゆると視線を落として。
「……………それって、2組の坂田ですよね?」
『へっ、』
私が変な声を上げたのと、屋上の扉が音を立てて開いたのは同時で。
「あっごめん、お取り込み中やった?」
にこり、悪びれもなく笑うその人物に、私はまた変な声を出す羽目になった。
『さっ、ささ坂田くん………っ!?』
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しゅーまい(プロフ) - 黄衣さん» ありがとうございます!コメント遅くなってすみません、、 なるせちゃんのツンデレなシチュが欲しいです!!(*´Д`) (2018年4月12日 0時) (レス) id: d2a6d35e0f (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - 夏愛~なつめ~さん» 夏愛さんありがとうございます!良ければこれからも本作品をよろしくお願いします(;_;) (2018年4月7日 14時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - スイ(さぶ)さん» スイさんお久しぶりですありがとうございます(;_;)ううう嬉しいです…これからもよろしくお願いします! (2018年4月7日 14時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - くろさん» くろさんありがとうございます!では歌詞太郎さんでそのシチュエーションでも宜しいでしょうか? (2018年4月7日 14時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - 藍さん» 志麻さんは女子からしたら理想の彼氏なんだろうなというイメージがあります笑誕生日のお祝いまでありがとうございます(;_;) (2018年4月7日 14時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄衣 | 作成日時:2017年11月5日 15時