二十三周目 ページ24
「…あ〜……………」
顔に両手を当てて、赤い顔を見せないようにする渉。
まるで、動揺するつもりなんてなかった、みたいな。
「…俺さあ、」
視線を合わせないまま、渉が口を開く。
「Aが思ってる以上に余裕ないし、結構いっぱいいっぱいだから今聞くけど、」
『…?』
『…A、嫌だった?…あの、さっきのやつ』
言いにくそうに、恥ずかしそうに。
渉も焦ってるのが手に取るようにわかって、本来そんなに器用じゃない方の渉が垣間見える。
『………ぁ、ぇと』
…恥ずかしい、けど。渉だってそうなんだから、言わなきゃ、だよね。
『………………嫌、じゃなかった…』
嫌な訳ない。好き、なんだから。
ただ、びっくりして、恥ずかしかっただけで。
「…………………うん、そっか」
ようやく、渉が私を見た。すっきりした、嬉しそうな顔。
「…良かった、嫌われたかと思ってた」
ふわふわ、幸せそうな笑顔に。
不覚にもドキッとしてしまって、なんだか直視できなかった。
私が嫌じゃなかった、って言っただけで、そんな顔するなんて。
そんなの、そんなの、…ちょっとだけ、期待しちゃうじゃん。
155人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
直刃 - 完結おめでとうございます、!私はなんといってもたぬきさん推しでして・・・この作品、凄く大好きなんです。なので続編、是非作っていただけると舞い上がります!! (2018年3月23日 0時) (レス) id: 461041a079 (このIDを非表示/違反報告)
moka*(プロフ) - 完結おめでとうございます!私は続編読みたいです! (2018年3月15日 11時) (レス) id: 26fe5d4713 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 完結お疲れ様でした!私は是非読んでみたいです! (2018年3月14日 18時) (レス) id: a4c1cc0525 (このIDを非表示/違反報告)
Star~ - 初コメです!付き合ってからのお話も読んでみたいです! (2018年3月14日 14時) (レス) id: 0bb5a78bda (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - 藍さん» 藍さんありがとうございます〜!キメるところはキメるたぬきさんですね…! (2018年3月13日 20時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黄衣 | 作成日時:2017年9月4日 18時