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...
高い建物が立ち並ぶ街並みから外れた郊外に、大きな森がある。
そこは元来立ち入りを禁じられているが、
鬱蒼とした木々を光のない瞳で見上げながら、独歩はただ立ち尽くしていた。
12月24日 火曜日 午後21時49分
思い詰めた彼は、自らの命を絶つためこの場所へと足を運んでいたのだ。
...
しっかりとした足取りで、独歩は森の中を歩いていた。
途中途中で何か分からない物体が落ちていたりしたが、彼は何一つ気にしていなかった。
独歩は頭の中で今までの人生を振り返っていた。
思えば色々あった。学生時代にはいい思い出がない。1人だけ仲のいい幼なじみがいた。アイツには沢山迷惑をかけたし、かけられた。何も言わず別れることには胸が痛む。
ディビジョンラップバトルで優勝した。
あの時は嬉しかった。ラップを通せば、自分が自分でいられるような気がしたのだ。
しかし、そんな大切なはずの全てを、彼は自ら捨てようとしているのだ。
「おれ、本当...馬鹿だな......っ」
独歩は思わずその場に蹲った。
涙が溢れて止まらない。自分はこんなところまで来て一体何をしているのだと脳内で自問する。
我に返るとすぐに、全てがバカバカしくなってきたのだ。
今更、引き返すことは出来ないのに。
「ぁあ...今日はクリスマスだ」
ぽつりと彼は言った。
そう、今日はクリスマス・イブ。
彼がAと約束をしていた、大切な日のはずだった。
独歩は頭にAを思い浮かべた。
(ケーキを買って行ってやろうと思っていたのにな...それで喜んだAを見て俺も笑って...それで、イルミネーションの中を歩いて...Aの話を沢山聞いてやって...あぁ...)
独歩はため息を吐いた。
今更、勢いで約束を破ってしまったことに一番大きな後悔の念を感じていた。
「A...本当、ダメなやつだよ。俺...」
「ごめん、おれ...ほんと、ごめん...」
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紺(プロフ) - kai_0998さん» 分かりみがフカヒレ (2019年12月8日 11時) (
レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
kai_0998(プロフ) - 紺さん» コメントありがとうございます。独歩にはどうしてもメリバエンドを迎えて欲しい気持ちがあります... (2019年12月8日 1時) (レス) id: 8c34b5ee67 (このIDを非表示/違反報告)
kai_0998(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます。褒めていただいてとても嬉しいです！楽しく読んでいただけたなら本望です...ありがとうございました (2019年12月8日 1時) (レス) id: 8c34b5ee67 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - 独歩おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ (2019年11月30日 12時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - すっごい感動しました！この作品を作ってくださってありがとうございます！ (2019年11月29日 16時) (レス) id: 6cdcbd2af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kai_0998 | 作者ホームページ：http://id52.fm-p.jp/649/kieyuku/
作成日時：2019年11月28日 22時
