#12 ページ12
...
Aは柔らかい草を踏みしめながら、大木の麓へと腰を降ろした。
独歩もその隣に座る。
「上、見て」
「......すごいな...」
Aの声に、独歩は見上げる。
暗い空は、囲われた木々により見えなかった。しかし、月が葉と葉の間から光を送り込んでいた。
ぽつぽつと漏れ出る光は、まるで______
「イルミネーションみたいだ...」
「でしょ？...街に行けなかったから。これで約束は果たせたね。」
上空を見つめるAの瞳に、光が反射してキラキラ輝く。
独歩は、その美しさに息を飲んだ。
「......A、俺...」
「ダメ。...その先は言わないで。」
消え入りそうなAの声に、独歩は ハッとした。自分は今何を言いかけた、と内心焦る独歩の横で、Aは優しい声色で言った。
「...独歩はさ、独歩が思っている以上に周りから愛されているんだよ」
「......そう、なのかな...」
「うん。...だから大丈夫」
Aの言葉の真意を探ろうとするも、独歩の瞼は途端に重くなってきた。
安心感がそうさせたのだろう。
うとうとし始めた独歩に、Aは小さな声で、しかしハッキリと言葉を掛けた。
「見つけてくれて、ありがとう...独歩」
...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紺(プロフ) - kai_0998さん» 分かりみがフカヒレ (2019年12月8日 11時) (
レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
kai_0998(プロフ) - 紺さん» コメントありがとうございます。独歩にはどうしてもメリバエンドを迎えて欲しい気持ちがあります... (2019年12月8日 1時) (レス) id: 8c34b5ee67 (このIDを非表示/違反報告)
kai_0998(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます。褒めていただいてとても嬉しいです！楽しく読んでいただけたなら本望です...ありがとうございました (2019年12月8日 1時) (レス) id: 8c34b5ee67 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - 独歩おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ (2019年11月30日 12時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - すっごい感動しました！この作品を作ってくださってありがとうございます！ (2019年11月29日 16時) (レス) id: 6cdcbd2af6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kai_0998 | 作者ホームページ：http://id52.fm-p.jp/649/kieyuku/
作成日時：2019年11月28日 22時
