誑かすのは好きですが、“あくま”で人間相手です。

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ー嫌ですか…？


ううん。そんなわけない

私もできるならみんなと仲良くしたいよ

お互いが程よい距離感で。


少し冷めたココアを飲んでお菓子を手に取る

袋から中身を取りだし、入間くんの口の中に入れた



『今回は私とアスモデウス君のお話。そこに入間くんは居ないよ』


『ただ、アスモデウス君が入間くんの事を慕っていることも知ってるし、入間くんも彼の事が大好きな事も知ってる。』

『だからね、2人の関係をとやかく言うつもりは無いよ。』


『むしろ大切な入間くんを、周りの悪魔から護ってくれるアスモデウス君には感謝してるもの。』


｢そんなこと思ってたんですか｣


『そうだよ。』



でもね、と話を続けた。



『だからといって私とアスモデウス君が仲良くする義理はないの。』

｢………。｣



人には適切な距離というものがあってね


離れすぎても駄目だし、近すぎてもいけない


きっと、私と彼は近すぎたんだよ。



『わかってくれる…？』

｢…Aさんは、アズ君の事をどう思ってるんですか？｣




『ん〜…特に何もないかな。
好きも嫌いも、なんとも思ってない』




なるべく優しい声で言った


入間くんのコップにもう何も残ってないのを確認して
そろそろ寝なきゃと促す

そんなに悲しそうな顔しないで

誰にでもどうしようもない事だってあるんだよ。


長い廊下、といっても隣の部屋なので短い距離だけれど
入間くんの部屋の前まで見送る


『いい夢みてね』

｢Aさんも。……あ、あのっ！｣

『なーに？』


｢どうしてAさんは、いつも僕の事を気にかけてくれるんですか？僕たち、本当は血は繋がってないのに…｣



今夜はたくさんお話したからか、

普段ならしないような事も話したくなっちゃうのかな

不安そうな可愛い子の頭を撫でる



『それはね、私がお姉ちゃんだからだよ。

血が繋がってなくても、赤の他人でも、

私にとって入間くんは大切な大切な弟。

だいすきな子


姉は弟を守るものだもの』



疑問に思っていたことだったのだろう

少し納得したような表情になった



｢ありがとうございます。僕も、僕にとってもAさんはとても大切で大好きなお姉ちゃんです！！｣

『……ありがとう。いい夢見てね、おやすみ』

｢おやすみなさい｣



おでこにそっと、おやすみのちゅーをして自室に戻る


姉は弟を守るもの。

いつだってそう。



そういうもんなんだよ…。



そうだよね


私の可愛いくて愛しい＿＿＿。

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