誑かすのは好きですが、“あくま”で人間相手です。

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家に帰ると、誰も迎えに来てくれなかった

いつもはオペラさんが「お帰りなさいませ」って出迎えてくれるのに…

サリバンさんもいないこの屋敷に1人は寂しすぎる


手を洗い終えた帰りに、中庭から声が聞こえたと思えば
入間くんとオペラさん、それにクララちゃんとアスモデウス君までいた



「お帰りなさいませ、A様」

「Aちおかえりー！」
「Aさんお帰りなさい！」

『うん、ただいま。何してたんですか？』

「実は……」



聞けばドッヂボール大会があるという

勝ったチームのMVPには階級の昇格があるみたいで、入間くんはランク上げの為に特訓をしていたのだ



「Aさんも一緒に特訓しませんか？」

『私はいいかな。運動苦手だし…自分の部屋で休んでるね。特訓頑張って！応援してる』

「ありがとうございます！」



入間くん達には悪いけど断らせて頂いた

昔から運動が苦手で、
特にボールを扱う競技がダメだった

ドッヂボールもいつもお尻とか頭にぶつかるし、なんならバレーも苦手だったなぁ…と、体育の授業を思い出す


私には机に向かって勉強してる方が性に合ってるのかも

だから今回はわざと当たって外野に行くか、徹底的に逃げに回ろう


そう決断して、途中まで読んだ拷問学基礎の本を開いた









..




お昼休み、職員室を前にノックを３回して挨拶をする


『失礼します、問題児クラスのAです。あの、
「カルエゴ先生に用かしら？」スージー先生…！』


人見知りな私にとって、知ってる先生が対応してくれたのは嬉しい！！！

だけど今回は担任のカルエゴ先生じゃないんです…


スージー先生の「カルエゴ先生、生徒さんですよぉ」の呼び掛けに、ご本人が奥の方から出迎えてくれた

めっちゃ不機嫌じゃん



「要件はなんだ」

『実はカルエゴ先生じゃなくて、ダリ先生に用がありまして……』

「ダリ先生に…？まぁいい、着いてこい」


すれ違う先生から視線が来て目が合ったり、手を振られたり挨拶されたりするので、すれ違う度に小さくお辞儀をする

悪目立ちしてるなぁ、私。


そりゃあ理事長の孫娘だし、
問題児クラスだし、
入間くんの姉だからかな！？



「Aちゃん久しぶり〜」

『お久しぶりです！』



爽やかに手を振るダリ先生はニコニコとしている

手に持っていた本数冊を少し掲げた



『この本を読み終えたので持ってきました！』

「もうそんなに読んだのかぁ、偉いね！」

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