誑かすのは好きですが、“あくま”で人間相手です。

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「入間様とA様のおなーりー!!」



「どうぞ」

「どうぞではなくッ!!!」


目立たずに学園生活を生き抜こうと決めた私と入間くんの意思は、真っ赤な長い絨毯をひいたオペラさんによって砕かれた

差し出された手を取って、馬車から降りる



「はい！Aちゃん専用電話！おじいちゃんとオペラの連絡先入れといたからね！」

『ありがとうございます…！』



魔界はまだガラケー(？)なのか…とか思いつつ、鞄の中に仕舞う

入間くんに話し掛けたアスモデウス君を目掛けて、絨毯を包みながらクララちゃんが突撃した

うん、いつもの事だ。


騒がしくなった校門に入間くんは先に行ってしまう



「A様、リボンが曲がっております。」

『ありがとうございます、オペラさん』

「本日から本格的に授業が始まりますので、頑張ってくださいね」

『頑張ります！』



応援されると、嬉しくなる

まるで期待されてるみたい


未だ絨毯にくるまっているクララちゃんを引っこ抜いた



『早く行こ！クララちゃん』

「行こ行こレッツゴー！」







..





【植物塔】


スージー先生のご指導の元、授業を受ける


“クワンックワンッ”という呪文を唱えると花が咲くらしい

私と入間くんには関係ない話かな


お互い目を合わせて苦笑いをした


サブノック君は、自分で鉢を壊す花を咲かせて破壊神と名付け、

アスモデウス君は燃える花を咲かせて、サブノック君に水を掛けられてまた喧嘩している



「クララはどうだった？」


ーーーミャオ〜〜〜〜


「今、何か…」

「居ぬ！何も居ぬ！！」



何 が ど う し て そ う な っ た



『私達もやろっか。じゃないと成績つけて貰えなくなっちゃう』

「そうですね…大きくは出来ないけど、せめて真似事だけでも」



ークワンックワンッ
ークワンックワンッ


そう唱えた瞬間に入間くんの鉢が光り出して、

大きな根っこを生やし、

幹を空高く伸ばし、

枝は四方八方に、


＿＿綺麗な花を咲かせた




『……桜だ』





こんなにも大きくて立派な桜の木

人間界でも見た事ない



「Aさん！おじいちゃんから伝言で、僕達今魔術使えるみたいです…」

『…………え''？』



それじゃあ、私の鉢は…？！



急いで目をやると、そこには小さいものの
凛としている真っ白な鈴蘭が美しく咲いていた

この花は、私が生まれて初めて認識したお花＿



「綺麗な鈴蘭ですね！」

『うん。そうだね』

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