ミツとオレとの関係性

夢に近づく ページ7

オレたちは
夢を追いかけ続けてた





だから 、きっと
この日の出来事は



オレの人生の中で
最も印象に残る日になったはず 。









単独のツアーの最終日に
茶封筒が渡された 。





そして





「 CDデビュー決定！ 」






単独ツアーも 初めて だったのに
今度は いきなりの重大発表 。




ステージで というか ライブ中に
知らされたオレたちは



状況が読み込めないまま
お客さんに伝えて



文字通りに受け取って
喜びあった 。






はしゃぎまくって
お客さんも応援してくれて





これから頑張ろうと
思った矢先に




突如 、オレの目の前に
試練が現れた 。







「 玉森 、ドラマ決定したから 」





……は？





事務所の人が ドラマの詳細やら
何やらを読み上げてるあいだ




オレは 上の空すぎて
聞いてもいなかった 。





なんで オレがドラマ？





ごくせんに出た時
凄く緊張したのに



今度は 主演ときたもんだ 。







「 藤ヶ谷もいるから安心して取り組みなさい 」





そんな事務所の人の言葉は
残念だけど 全く心に響かなかった 。






…… なんで ガヤが主演じゃなくて
オレが主演なんだろ






時期も悪かった




デビュー前にドラマをする意味が
疎いオレでも分かった 。





だからこそ 、余計に
プレッシャーになって




他のメンバーの目を
見れなくなった 。







だって 見たら絶対



主演やったな


って言われると思ったから 。







けど 強がりも もう限界だった





強がってるぶん 、メンバーを避けて
大きく見せようとして




なのに 心の中は震えてて 。







結成当時は 端っこで
カメラに抜かれることも少なくて




普通なら そのことに不満を持つべき
だろうけど オレはどこか安心していた 。





なのに どんどん 自分の位置が
中心に近くなっていく





その怖さは ごくせんの時にも
経験していた 。





真ん中で踊ることが増えたから





なのに 今度は主演 。





前もギリギリだったのに
主演なんてさ…






うつ伏せになって
寝てるふりをする





メンバーに見られたくないから
こんな自分を




だから 最近 誰よりも早く
リハーサル室に行くのかもしれない

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