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「ただいま戻りました〜」
「おう、お疲れ」
帰社するとうちの部署以外の蛍光灯は消えていた。
「遅いぞ、お前たち」
「すみません、渋滞に巻き込まれてました」
「だったら一言連絡くらい入れろ」
「私の意識が低かったんです、すみません。でもなんとかI商事さんとの契約が取れそうです」
「本当か？」
「はい。ちょっと手強かったですけど」
「俺が行ったときは興味も示さなかったぞ？」
こうやって嬉しそうに微笑む顔が好きだったな。
「そうなんですか？」
「ああ。お前すげーわ」
「やりましたね、Aさん」
仕事は絶対に裏切らない。努力した分だけ、成果として返ってくる。
だから仕事は好きだ。
「ありがとうございます！」
「これからも頼んだぞ、もうAちゃんはうちの看板と言っても過言じゃないからな」
「いや…それは過言ですよ」
「謙遜すんなって。いろんな取引先から評判いいんだぞ？俺が行くと絶対『Aさんは？』って聞かれるからな」
「本当ですか？」
「俺が嘘ついてどうすんだよ。そういうことだから今うちにはAちゃんがいてくれないと困るんだよ」
そう言って宏光は帰る支度をする。私の仕事に対する評価は今までも悪くなかったけれど、こんなにしっかり言葉にされたのは…いつ振りだろう。
「まあでも…あんまり頑張りすぎるなよ。たまには息抜きしろ。お前ら、今から空いてる？」
「僕は大丈夫です」
「…私も、特に予定はないです」
「よし、じゃあ今から飯な！」
今から？
もう本当、腹の底が見えないから怖いよ！！
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作者名：わ！ | 作者ホームページ：http://twitter.com/mi2_lxxx
作成日時：2019年10月28日 13時
