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A「……うぅ……神威……!!」
神威「ハイハイ、俺だよA〜。余程寂しかったんだね。」
痛む体を無理やり動かして、彼に泣きながら抱きつく。
そうでもしないと、また離れてしまう気がしたから。
A「うん……っ……会いたかった〜」
神威「……俺もだよ。……見つけるのが遅くなってごめんね。」
A「……ううん、いいの……ありがとう、私を見つけてくれて。」
ぶっちゃけて言えば、水月の言う通り、私は神威に捨てられたのだとばかり思っていたのだ。
そのため、またこうして彼の腕の中にいられる日が来るなんて、考えもつかなかった。
神威「……礼を言われるような事は何もしてないよ……」
A「……どうして?神威は、私を助けてくれたじゃない。」
神威「……そもそもあの時、Aをちゃんと守ってさえ居ればこんな事にはならなかった。……それどころか、あんな場所に置き去りにして……今だって、どんな顔して話をすればいいのか分からない………」
いつも強気で、自信満々な彼はどこへやら。
今は、頼りなくくしゃりと歪めた顔を堪えるのが精一杯なようだ。
A「………っ」
神威「……やっぱり、俺じゃあAを幸せになんてできないんだよ。」
彼の震える声が聞こえる度に、募る不安。
気の所為だと目をつむったまま聞いていると、彼が言った一言で、それも確信へと変わっていったのだった。
A「……だから…っ……そう思うから、また私を一人にするっていうの……っ!?」
神威「A」
A「……そんなの嫌……っ……嫌だよ……神威……離れたくない……」
神威「A、大丈夫だから落ち着いて。一人にしたりもしないよ、冗談だってば……」
―――ガチャ
阿伏兎「……おいおい……何早速泣かせてんだよ団長……」
A「……阿伏兎ぉ……!神威が……神威が……!」
再び、ぽろぽろと零れる大粒の涙。
神威に全力で抱きつきながらも必死に阿伏兎に訴えると、そのままジト目で彼を見やる。
神威「……いや、ね?…ちょっとからかっただけだって。……そしたら思ったよりリアクションが……」
阿伏兎「おま……!嬢ちゃんガチ泣きしてんじゃねーかよ……久々に会えて嬉しいのは分かるけど、あんまイジメるんじゃねぇ。」
神威「……はーい………ヨシヨシ、ごめんねA。
いや〜まさかそんなに俺と一緒に居たいって思ってくれてるなんてね〜」
A「……〜〜〜っ!!」
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みるく(プロフ) - 八神さん、こちらこそ最後までありがとうございました……!!これからも頑張ります! (2019年1月7日 13時) (レス) id: 4dd75c9f77 (このIDを非表示/違反報告)
八神(プロフ) - 本当お疲れ様でした!更新の通知が来るたびにいつも楽しみにしていました!これからも頑張ってください! (2019年1月3日 21時) (レス) id: 7ae8463a14 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 黒狐さん、返信遅くなってしまいすみませんでした……!ちなみに姦姦蛇螺、私は初めて聞いたんですけど、中々ホラーですね!面白そうですが。。。 (2018年11月27日 12時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - かんかんだらを知っている人が居るとは…ちょっと嬉しい、知らない人多いし… (2018年11月12日 20時) (レス) id: ceb7e35640 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 森田さん:あ、了解です笑 ご期待に添えず申し訳ありません……。また何かありましたらお気軽にどうぞ!! (2018年11月9日 19時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2018年10月23日 19時