団長と兎.3

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―――数週間後。

No side

警察1「おい、最近水月さんの妹の……何だっけ」

警察2「AだよA。だーめだってお前、ちゃんと名前覚えとかねーと。水月さんに殺されるぞ」

警察1「おおっと、そうだったそうだった。あの人は大層なシスコンらしいからな〜……と、そんな話をしに来たわけじゃねぇ。」


宇宙警察戦艦内を、早足で歩きながら何やらコソコソ話をする二人。次の任務や、集合時間が迫っているためか、話す速度もやや早めである。


警察2「一体なんだよ？手短にたのむぜ。」

警察1「あぁ。……Aだっけ、どうやら元海賊らしいって話なんだけどよ。」

警察2「はぁ？……んな訳ねぇだろ。あんな正義感に満ち溢れた働き者、他にいねぇし、第一海賊やってたんなら流石に水月さんだってここに入れるはず
……」


Aはあの日以来、他の誰にも負けない程の好成績を残し続ける超優等生としてここで活躍している。
その甲斐あってか、トップに立つ水月の補佐にまで登りつめたという。

そんな優秀な彼女が、敵である元海賊であるなど、当然ながら信じがたいであろう。

警察1「それがよォ。……俺聞いちまったんだ。昨日の就寝前、Aお嬢さんがある男の名を呼びながら泣いてんの。」

警察2「……ある男？……誰だそいつァ」

警察1「……そいつは、」



━━━春雨の雷槍、と呼ばれた男さ。

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